[一章-26:約束《Promise》]
———翌日
嬉しそうにカバンなどを準備する雫。そのカバンはいつもの学校指定のカバンとは違うシンプルだが女の子らしいカバンだ。
「にぃがあの約束を覚えていたなんてね」
と準備をしていると一馬に話しかける。
あの約束それはいつかに交わしたテスト明けの休みにどこかに連れて行く、というものだった。
「当たり前だろ、俺は嘘はつかん」
と昨日の落ち込みはどこへやらと言いたくなるほど元気そうに答える一馬。2人の準備ができると、
「忘れものは無いな?」
と尋ねる一馬。一応確認してから答える雫。
家を出てバス停まで歩き、バスに乗り、電車に乗って着いた先はこの街最大のショッピングモールだ。
「やっぱ、デケーな」
と久々に見た一馬はその大きさに思わず言葉が漏れる。
「あっ、いたいた」
と近づいてくる集団、勉強会のメンバーだ。
遊には響也から頼んでもらっておいた。
「さぁ〜て雫ちゃんどこ行く?」
と尋ねる宇佐美。
「お洋服買いに行こっか、それとも他に何か見たいものある?」
と尋ねるひな。
「ちょっとあんた私が先に聞いたのよ」
「先とか関係ないでしょ、ね〜、雫ちゃん?」
「いいわ、どっちが雫ちゃんのことわかっているか勝負よ」
「おいおい……」
止めようとした一馬を遮り。
「わかった、ならどっちが雫ちゃんの気にいる服を選べるかで、どう?」
と勝負の話しをどんどん進めるひな。
「いいわ、行きましょ雫ちゃん」
と雫の手を掴みショッピングモールの中へズンズンと進んでいく宇佐美とひなと雫。
「にぃ〜助けて〜」
その声は自動ドアによって遮られた。
この勝負の段階で雫のことわかっていないだろと思いながら追いかけようとすると遊が一馬の肩を優しく掴み、
「さて、僕達はゲームしようか?」
とやる気満々で尋ねてくる。すると太樹達が
「前は黙って見てましたけど、今回は俺達に勝ってからアニキと勝負して貰う!」
と肩を掴んでいる手をはがしながら勝負を持ちかける太樹。
「いいよ、その代わりこっちには響也を味方にさせて貰うからね。さすがに数の差が大きすぎるし〜」
とその勝負を受ける遊。そして一馬を除き全員がショッピングモール内に入っていった。
「みんな行動はやいな…」
と独り言を言った後、一馬がみんなを追おうとした、その時キャーと小さく悲鳴が聞こえた。一馬は進行方向を自動ドアから悲鳴の方向に変えて走り始めた。




