信頼の王国

──理念が揺れる時、王国は試される──

感情基盤が地形に影響する世界。
感情によって繁栄と滅亡すらあり得る世界のとある王国の物語。

民が互いを信じ合うことで成立する王国フェルシア。

王と王妃が掲げた“信頼の理念”は、争いを鎮め、国に静かな繁栄をもたらしていた。

だが理念は、強すぎればゆがむ。
人々の「信頼」はやがて形を変え、
王に“神格的な依存”を投影し始める。

思想は熱を帯び、都市にはわずかな歪みが広がった。

信頼を核にした王国は、

繁栄に喜ぶ国へと変わるのか、
巨大化して破滅へと堕ちるのか、

理念を進化させるのか、
あるいは自らを壊して再構築するのか──。

王、王妃、賢者、商人、騎士、貴族、
多様な立場の者たちが、

それぞれの“信頼のかたち”を問い直しながら、王国の未来を決める分水嶺へ向かっていく。

理念に寄りかかるのか、
理念を使いこなすのか。

幾度となく揺れる王国に、もう一度“人間の信頼”を取り戻す物語。