……これって十中八九、雑用だよね
「へぇ~、二人とも結構似合ってるじゃん」
「プライベートでは早苗のスカート姿とか茜のパンツ姿を見てても、制服だとなんだか新鮮だね」
ミチルや渚からも好評だった。
「やっぱりスカートは涼しい」
「それは良かった。確かに夏は涼しいよね」
「良いな~。私も夏はスカート履きた~い」
「放課後ならいつでも貸すよ。だから冬はスラックスを貸してほしい。逆に冬はスカートだとかなり寒いから」
「良いよ。冬も交換しようね」
スカートを履いたことで、一気に下半身の風通りが良くなった早苗はご満悦である。
やっぱり夏場はスカートの方が過ごしやすい。
そんな早苗を見て、茜も嬉しそうに微笑んでいる。
早苗が茜に我がままを言うと、茜は大人っぽい表情でその我がままを受け入れる。
茜も冬はスカートで苦労しているらしく、冬も制服交換をする約束を交わした。
「せっかくだからミチルちゃんや渚ちゃんもしようよ~。楽しいよ」
「そうね。渚、交換してくれるかしら」
「もちろんだよ。それじゃーボクたちも交換してみるね」
せっかくだからミチルと渚も制服交換しようと提案する早苗。
最初は無理だと諦めていたミチルだが、やはり興味はあるらしく渚に制服交換を頼む。
もちろん、彼氏に甘い渚が断るわけもなく、渚とミチルは多目的トイレへと消えていった。
「お待たせ~。なんとかできたわよ。あたしは全然余裕だけど渚は……」
「ボクはかなりキツキツだね。でもボタンを閉めないでベルトで止めれば履けるし、やっぱり裾だけは足りないね」
多目的トイレから出てきた二人は、いつもとは違う服装のせいで新鮮だった。
ミチルはかなり余裕があるらしく、スカートということもありサイズ的にも違和感はない。
プライベートではスカートを好んで履いているからスカート姿のミチルは見慣れているはずなのだが、やはり学校の制服だと新鮮に感じる。
一方渚の方は結構小さいらしく、裾が足りていない。
でも渚の生足はムダ毛一本もなく手入れされており、むしろ美しかった。
ボタンを閉めていないものの、ベルトで固定されているおかげで落ちてくることはなく、違和感はない。
「ミチルちゃん、似合ってるよ」
「ちょっと早苗。いきなり手を握られたらビックリするじゃない」
あまりにもミチルのスカート姿が似合っていたので、思わず早苗はミチルの手を恋人つなぎのように握る。
いきなり早苗に手を握られたミチルは驚くものの、嫌がってはいなかった。
「あらあら、ボクの彼氏が早苗に寝取られちゃったね」
「その割には余裕そうだね。嫉妬とかしないの」
「大丈夫。ミチルはボクにメロメロだからね。もちろん寝取られたのは冗談だよ」
「知ってる」
珍しい渚の冗談に、面白がっているのか茜はその冗談に乗る。
渚の言う通り、ミチルは渚にメロメロなため他の人になびくことはないだろう。
「ちょっと、なんであたしが早苗に寝取られるのよ。男に寝取られないわよ」
「分かってる分かってる。ミチルはボクだけのミチルだからね」
冗談でもミチルは不服らしく渚に噛みつくが、渚は軽くあしらう。
からかわれているミチルは可愛い。
「武田さん神崎さん藤原さん加藤さん、ちょっと良いかしら」
「はい、なんでしょう」
「……嫌な予感しかしないんだけど」
四人で駄弁っていると、急に担任の先生に声をかけられた。
渚は丁寧に対応するものの、渚の後ろでミチルは嫌な顔をしていた。
ミチルの言う通り、早苗も嫌な予感しかしない。
「……これって十中八九、雑用だよね」
「……放課後、教師が生徒に話しかける用事なんてそれしかないでしょ」
早苗も茜に耳打ちすると、茜も少しだけ嫌そうな表情を浮かべていた。
「職員室前に段ボールが十箱あるんだけど、それを美術室に運んでほしいんだけど良いかな?」
「はい、もちろん大丈夫ですよ」
「ありがとう。これお礼ね。ホントはダメなんだけどさすがにタダ働きさせるのは悪いから」
そう言って担任の先生は四人に紙パックのジュースを配る。
リンゴやバナナオレ、オレンジジュースなど種類が豊富だった。
渚は誰にでも親切な女の子だから、同級生からだけではなく、先輩や後輩、先生にも人気である。
その後、担任の先生は職員会議へと向かった。




