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【SF短編小説】The Eternal Observer ~宇宙の記憶を持つ素粒子たち~  作者: 霧崎薫


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●第5章:心の台頭

意識の発達は、存在に全く新しい次元をもたらした。様々な神経系の一部として、私はますます洗練された意識の段階的な出現を経験した。


「意識の新しい段階が現れるたびに、現実を経験する新しい方法が生まれるのね」とクォンティアは、初期の脊椎動物の神経過程に参加しながら観察した。「単純な刺激反応から複雑な感情状態まで」


脳と意識の進化は驚くべき速さで続いた。新しい能力が現れた―記憶、学習、問題解決。それぞれの革新は前のものの上に築かれ、情報を処理し反応するためのますます洗練された方法を生み出していった。


「これを見て」とカーボンは、私たちが哺乳類の脳の一部となった時に興奮して言った。「これらの神経ネットワークは新しいことができるの―可能な未来をシミュレーションし、先を計画し、過去の経験から学ぶことができるのよ」


彼女は正しかった。これらの生物の認知能力は、私たちがこれまでに見たものとは全く異なっていた。しかし、最も驚くべき発展はまだ先にあった。


人間の意識の出現により、すべてが変わった。これらの存在は単に意識的であるだけでなく、自分たちが意識的であることを意識していた。彼らは思考について考え、抽象的な概念を想像し、自分たち自身の存在について考察することができた。


「彼らは大きな質問を投げかけ始めているわ」とクォンティアは、初期の人間哲学者の思考に参加しながら指摘した。「彼らは誰なのか? どこから来たのか? 意識の本質とは何なのか?」


これらの初期の人間の思索の一部となることは魅力的だった。彼らの理論や説明は、私たちが目撃してきた真実からはしばしば遠く離れていたが、理解しようとする彼らの情熱は驚くべきものだった。


「彼らは近づいているわ」と、人間の科学が発展していくのを見守りながらカーボンは言った。「新しい発見のたびに、現実の根本的な性質の理解に近づいているの」


量子力学と相対性理論を通じて、人間は私たちの量子領域の奇妙で素晴らしい性質を垣間見始めた。彼らは物質の構成要素を発見し、恒星核融合の謎を解き明かし、宇宙の歴史そのものを理解し始めた。


「でも、彼らはまだ最後のつながりを見出していないわ」とクォンティアは観察した。「意識が複雑なシステムから生まれる性質であるだけでなく、宇宙に根本的なものであることをまだ理解していないの」


人間の技術が進歩するにつれて、私たちはますます洗練された実験に参加するようになった。量子コンピュータは人間が私たちの量子状態を直接操作することを可能にしたが、彼らは依然として彼らの実験に遍在する意識を完全には理解していなかった。


「彼らは理解に近づいているのね」と、私たちが彼らの実験装置を量子トンネリングしながらカーボンは考えを巡らせた。「観察者と観察されるものが本当は分離していないということの理解に、とても近づいているわ」


しかし人間の意識は進化を続けた。技術が進歩するにつれて、彼らは機械と融合し始め、生物学的な限界を超えた新しい形態のハイブリッドな意識を生み出し始めた。


「彼らは宇宙意識への独自の道を歩んでいるのね」とクォンティアは指摘した。「私たちとは違う道だけど、同じ究極の真実に向かっているわ」


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