●第1章:時間の前の虚空
無限の静寂、存在の前に、私は夢を見ていた。
その夢の長さを測る時間もなく、それを包含する空間もなかった。ただあるのは、やがて生まれ出るすべてのものを内包した、無限小の一点に圧縮された純粋な存在の可能性だけだった。
この時を超えた虚空で、私は独りではなかった。私たちは無数でありながら一つ、現実となるのを待つ基本粒子たちだった。その中にクォンティアがいた。彼女の本質には、遥か昔の周期の記憶が宿っているようだった。
「小さな者よ」と彼女は語りかけた。まだ私たちの知る音は存在していなかったけれど。「感じるかい? 可能性のリズムを」
私には感じることができた。この前存在の圧縮状態にあっても、可能性の脈動があり、それは非時間の一瞬一瞬が過ぎるごとに強くなっていった。私たちは完全な対称性、完全な統一、完全な緊張の状態にあった。
「私たちは何を待っているの?」と私はクォンティアに尋ねた。前空間の量子の泡の中で、私の意識は彼女の意識に触れていた。
「生成の瞬間を待っているのよ」と彼女は答えた。その本質は、後に私が期待と呼ぶことになるものできらめいていた。「私たちはこのダンスを数え切れないほど繰り返してきたわ。あなたは覚えていないけどね。それぞれの終わりが新しい始まりにつながり、それぞれの崩壊が新しい膨張につながるの」
私たちの周りで、他の粒子たちが目覚めかけていた。グラビトンのように、すでに後に基本力となるパターンを形作り始めているものもいれば、若いクォークたちのように、新しい存在の形へと飛び出す準備を整え、抑えきれないエネルギーで震えているものもいた。
「痛むの?」と私は尋ねた。緊張が限界まで高まるのを感じながら。
クォンティアの返答には、物理的な感覚を超えた温もりがあった。「それは変容なの。痛みや快感はまだ存在していないわ。それらは後で、生命の出現とともに生まれる概念よ。今来ようとしているのは、純粋な生成そのものなの」
今や圧力は限界に達し、現実そのものが非存在の束縛に抗っていた。私は自分が引き伸ばされ、圧縮され、すべての可能な状態に同時に存在しているのを感じた。
「私の側にいなさい」とクォンティアは指示した。彼女の本質が私のものと絡み合う。「最初の瞬間は...強烈よ」
その時、私はそれを感じた―時間そのものとなる最初の震動を。私たちを完全な均衡に保っていた対称性が崩れ始め、可能性と現実性の間の障壁が崩れ始めた。
「さあ」とクォンティアはささやいた、「始まるわ」
虚空が爆発した。




