87.『問いは攻撃性を持つというが』
かつて「はちじゅうなな」だったもの
夜道は危ないと言われてるけれど、
それでも歩きたくなるのは、
危険をスリルに変換する、脳の小さな遊び心のせいだろうか?
それとも、誰かに心配されたい欲望だろうか?
怒っても何も変わらないと分かっていながら、
あれこれ言葉をぶつけるのは、
まだ少しだけ希望を捨てきれていない証拠?
それとも、感情に寄りかかって生きている証明?
他人の笑顔がどこか引きつっているのはすぐ分かるのに、
自分が笑っていないことに気付かないのはどうして?
鏡を見ても本当の顔は映らないって、本当?
「信じて」と口にしたその夜に裏切ってしまうのはなぜ?
主観が客観に完敗していることをあなたは気付いていない。
「悪気はなかった」の一言で帳消しにできるのかな?
距離が心を遠ざけるというけれど、それって本当に距離のせい?
話さなくなった理由を時間のせいにしていない?
罵倒を繰り返すたび、あなたの肌に新しい痕が刻まれていく。
悪口の先に綺麗になる未来が来ると思ってる?
それとももう、綺麗になる必要なんてないと思ってる?
人間の脳は高次元だって言うけれど、何人の心の動きを読めてる?
半径5メートル以内でさえ、曖昧で、すれ違って、誤解してるのに。
自分の気持ちすら見失っているのに。
ねえ、本当にそれ、分かってる?