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69.『無色透明のオルゴール』

かつて「ろくじゅうきゅう」だったもの

僕らは皆、主観という眼鏡をかけて世界を見ている。

そのレンズを通すだけで、現実はまるで違った形相を呈する。


天国が地獄に見えることもあれば、

地獄が天国のように思えることもある。

なぜあんな職場で仕事ができていたのか今となっては理解できない。


ならば、そのフィルターを自在に創造できるようになれば、

もう少しこの世界を生きやすくできるのかもしれない。

レンズだけでなく、その装飾にもこだわってみても楽しいだろう。


けれど、どんな考え方を駆使しても、

どうにも変えようのない事実があることも否定しない。

苦悩はやはり苦しみや痛みを伴うものなのだ。


それを無理に前向きに捉えようとする必要はない。

無理に意味を見出そうとすると、

その意味に自分が囚われ、軋轢を生むだけだ。

矛盾を包括しようなどと考えてはいけない。


そういう現実は、ただ静かに受け止めるしかない。

自分の中で馴染んでいくのを待つしかない。

胃の中で溶けていく食物のように。


何かあなたに困難が襲った時、

感情の脚色を取り払って、

それを無色透明なものとして眺める。


場合によっては、ただただ寝かせておけばいい。

無理に整理することも、答えを出すこともない。


ああ、そんなものもいたなって。

気が向いた時に、そっと箱を開けて覗き込むくらいでいいのだ。

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