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第九話†謎の少女とジュリアの脱獄

人を操る少女セリファの出現。

ジュリアちゃんには逃げられてしまう。

更には多数のノワール。

もう日常には戻れないの!?

途方に暮れるみのるなの。

「お疲れ様、実流ちゃん、沙奈ちゃん。

君たちが逮捕したジュリアちゃんの取り調べ、実流ちゃんたちも参加してみるかい?」

 艦隊に戻った魔法少女隊に掛けられた一声、それはディアス提督のものだった。

「はい、参加してみたいです」

「じゃあ着いてきて」

 ディアスは実流たちを案内しながら、取調室へと向かった。


  数分後、リヴァイアサン艦隊・取調室

「で、仮面舞踏会ではどんな計画を立てているのかな?」

「……」

 銀髪の魔法少女は何も語らない。


「これが彼女の武器(アウター・デバイス)よ」

 レイアンが入ってきて、ロッドを差し出す。

「……! 私のブラスターに手を出すな!」

 それまで口を開かなかったジュリアが豹変し、殺意をレイアンとディアスに向けた。

「私のブラスターから手を離せ!」

 ジュリアは立ち上がろうとしたが、椅子に完全に固定されている。

「……アラミナ・カブラティス・ナヴィテンヒト!」

 ジュリアが唱えた呪文に呼応するかのごとく、ジュリアのロッドから黒い雷が出てくる。

「強制解放とは、洒落てますね

まぁ、我々を妨害するには力が足りませんが……」

「今のままじゃ、取調べにもならないね。

特別室に案内しておけ」

「はっ!」

 ディアスの命令によって、ジュリアは監獄に投獄されることになった。



  数時間後・牢獄特別牢


「何でこんなことになったんだろ……」

 ジュリアが独り、膝を抱えている。

『……ここから出たい?』

「誰!?」

 声のした方を見ると、一人の少女。

「あたしの力があれば、こんな格子は開いちゃうよ!」

「本当か?」

「うん、任せて!」

 それだけ言うと、少女は離れていく。

「ホントにあの娘に任せて大丈夫かしら……」



  リヴァイアサン艦隊・魔法少女隊宿室にて


「沙奈ちゃん、私トイレ行ってくるね」

 宿室にはトイレが付いていないため、フロアのトイレに向かう実流。


「まぁ、あれくらいが妥当なところね」

 後ろから、実流に狙いを定めた少女。

「待ちなさい、ちょっと手助けしてもらうよ」

「え!?」

 声に気付き後ろを振り向いた実流の口に、少女はいきなりキスをすると、青きスライム状になり、入り込む。

「んぁっ!?」

 キスをされて驚いた拍子に、そのまま飲み込んでしまった。


挿絵(By みてみん)

「……憑依完了」

 実流の口を借りて喋ったのは先程の少女だ。

「さてと、まずは鍵を手に入れなきゃね……」

 そのまま何処へ向かえば良いか分からず迷ってしまう。

「おや、実流、どうしました?」

 すれ違う際、彼女に声をかけたのはセルジュだ。

「あ、牢獄のジュリアちゃんと面会したくて……。

鍵を探してるんです」

 実流に憑依したままの少女はセルジュに答えた。

「あ、申し訳ない。

さっき提督に返しちゃいましたよ」

「提督は今何処に?」

「多分1階のリラクゼーションルームで休養を取っていると思いますよ」 それを聞くと、ぺこりと頭を下げて駆け出していった。


  一方、魔法少女隊宿室では……

「あれ、みのるんお姉さんまだかなぁ、トイレにしては長いんよ……。

ちと探してこよか」

 宿室を出た沙奈を見つけたセルジュ。

「あれ、沙奈じゃないですか。どうしました?」「みのるんお姉さん探してるんです」「あぁ、実流ならさっき鍵を提督に借りにリラクゼーションルームに行きましたよ」

「え? あ、ありがとう!

ほな行ってきますな」

 沙奈は駆け出す。

「何なのでしょうか……」

 セルジュのつぶやきは誰に聞こえることもなかった。



  リヴァイアサン艦隊・リラクゼーションルーム

「提督、居ますか?

実流です」

「実流ちゃん、どうした?」

 仮眠を取ろうとしていたディアスは、体を起こして実流を見た。

「あの……牢獄にいるジュリアちゃんの面会のために、鍵を借りたいんだけど……」

「はい、これだよ。

面会終わったら返しに来てね」

「分かりました」

 実流の姿をした少女はぺこっと一礼すると、そのまま立ち去って行く。

 それから数分後、沙奈もディアスの元にたどり着く。

「提督、みのるんお姉さん知りません?」

「さっき鍵を取りに来たよ。ジュリアちゃんの面会って言ってたっけ」

「分かりました、ありがとうございます。ほな行きますので」

 ディアスは沙奈に手を振る。


  リヴァイアサン艦隊・牢獄

「さて、脱獄させに来たよ!」

 少女は独房の鍵を開いた。

「実流!?」

「いや、あたしはセリファ。

さっき言った通り、助けに来たよ」

「あ……ありがとう……」

 セリファはジュリアの手を掴みデッキまで急いで行く。

 途中、すれ違った者は居なかった。


「待て!」

 甲板で彼女たちを制止したのは、リィンだ。

「リィン……!?」

 後から追いついた沙奈もリィンの存在に気付く。

「正体を現せ!」

「な、何言ってるの? あたしはみのるだよ!?」

「嘘をつくな! 本物の渚砂 実流は自分をあたしと呼ばない!」

 ……。

 暫しの沈黙。

「キャハハ……つまらない。もうバレちゃったの!?」

 実流の口から、先程の青いスライムが出てきた。

「あたしの名前はセリファ。

他人の肉体を乗っ取れるの」

 セリファが再び元の姿に戻り、言う。

「さ、ジュリアちゃん、逃げて」

「うん、ありがと」

 ちょうどその時、仮面舞踏会もジュリア奪還のために動いていた。

『実流ちゃん、リィンちゃん、仮面舞踏会のノワールだ! 総数5000体!

殲滅作戦を会議する。館長執務室に集まってくれ!』

「「了解!」」

果たして、5000体のノワールに対抗するディアスの作戦とは!?


次話へ続く!

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