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第七話†宿命、リィンの魔導書

リィンの悲しい『仕事』……

宿命に囚われた人……。

不本意ながら、仲間をも消さなければならない。

それがリィンを縛る宿命。

星の涙が齎す新たな宿命は、雛鳥に何を訴えるのか。

  実流の中学校

 狭間の回廊からリィンが現れる。

「我が主、よく聞いてください。

敵は人間が3名、ノワールが数十体、この学校の図書館を拠点に動いているらしい。

私が結界を張っておくので、そのうちに、ノワールを還元(もど)し、可能な限り、敵を補足してください。

我が主と……渚砂 実流ならできる」

 リィンはそう言うと、後ろを向く。

「あれ、リィンさんは何処かに行くの?」

「別の仕事を仰せつかっているのでな。

私も忙しいものだよ」

 やや悲しい表情を浮かべて、リィンは狭間の回廊へと消えていった。



  魔術師連合本部

「これより、ギルドマスターズ緊急会議を始める」

 大規模会議場にリィンの声が響く。

「本議会は、現在投獄されている松代(まつだい) 麗奈(れな)の処刑の可否についてを決めることとする」

「例の女か」

「先日、奴に支配されていることが分かった」

「「「処刑に賛成」」」

 処刑は可決された。

 スピード評議会との通り名は伊達じゃない

「では処刑に関して手段は?」

「詳細は全て断罪者に任せる」

「では、このまま松代麗奈の処刑に入るものとします。解散!」



  リヴァイアサン艦隊・牢獄

「ね…ねぇ、ここから出して……」

 魔術師連合の服を着ている女性が一人投獄されている。

「奴の手足として動いているのだろう?

私の本にはお前が奴に操られているという宿命が載っている」

 リィンが言った。

「私は、断罪者というギルドのリーダーだ。

ギルドマスターズの議会により、お前の処刑が可決された。

故に私はお前を処刑する」

「どうして……?」

「魔術師連合の意思だ、許せ」

 リィンは右手を女性に向けると、そこから闇が出現する。

「……許さぬ……!」

 女性は消える最中(さなか)、一言だけ漏らしていった。

「すまないな……」

 リィンは悲しげな表情で言った。

「ギルドマスターズの全体に通信」

 彼女は牢獄でギルドマスターズに登録されているメンバー全員に対して通信した。

「現時点を持って、松代麗奈の処刑を執行しました。投獄可能数の更新を願いたい」

『ご苦労様。

あとはこちらで魔導士協会に投獄可能数の更新、及び新規人員補充を申請しておく』

「宜しくお願いします。

通信終了」

 リィンは通信を切ると、再び狭間の回廊を出し、実流たちの様子を見に行った。


  実流の中学校・図書室

 ピキッと音を立ててモノリスは徐々に砕けたところへ、本棚の裏に隠れる形でリィンは現れる。

 彼女はノワールが散り散りに逃げていくのを、ただ黙って見ている。

「やはり、彼女たちならできると思っていた」

 残っているノワールたちを確実に人間に戻していくのを見ながら、一言呟いた。


「ふぅ、いっちょあがり!」

「じゃあ帰ろうか、沙奈ちゃん」

「せやな、帰ろか」

 実流たちは転送ポイントに向かっていく。


「人間……自らの宿命に抗ってまで魔法を欲するか。

それが我が主もであるとは……。

我が魔導書に、新たなる記述(捩込まれた宿命)を書き記すため、今は星の涙が欲しい……」

 リィンは誰に言うともなく呟くと、狭間の回廊を出現させ、入っていった。



  リヴァイアサン艦隊・艦長執務室

 狭間の回廊が出現し、そこからリィンが現れた。

「星の涙を借りれますか?提督」

「一つで良いのか?」

「……はい」

 ディアスは引き出しから星の涙を取り出してリィンに渡した。

「古の宝具、星の涙よ……汝らが人間に捩込みし記憶、我が持つ宝具にも分け与え給え」

 彼女が呟き星の涙を魔導書に当てると、新たな宿命に書き変わる。

「……!

戦いの中で魔法少女隊は……

我が主たちを…雛鳥たちをお守りせねば……」

 リィンはディアスに敬礼してから狭間の回廊で移動していく。


  何処かの城の暗がり

「ジュリア様……人が集まる日と場所が分かりました。

リディアベースのすぐ近くです」

「分かった。ラティオとロゼ、二人ともついてきて。

ヴェルティは待機」

 ジュリアはギルドのメンバーへと通達してから狭間の回廊を出現させて出ていった。

人が沢山集まるところ

夏のコミックマーケット

仮面舞踏会に狙われた会場。

果たして、魔法少女隊はコミケの参加者を守り抜くことが出来るのか……

次話へ続く!

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