2つ目の試練 その4
さっきので、上級職への転職が可能になった。
選択肢は『上級テイマー』と『死霊使い』の2つ。
上級テイマーになれば、従属魔法の効果を1.2倍。また野生のモンスターからの好感度に極僅かな補正。ほか、モンスターに関するスキルの熟練度に極僅かな補正。
死霊使いになれば、卵から所有していた場合を除き、死霊系以外のモンスターのテイムが出来なくなる。
かわりに、死霊系使い魔への従属魔法の効果を1.4倍。野生の死霊系モンスターからの好感度にやや補正。ほか、モンスターに関するスキルの熟練度にやや補正が入る。
テイマーの上位互換な広くて浅い上級と、1属性に特化した狭くて深い死霊使い。
まぁ、選ぶなら死霊使いかな。
死霊系以外テイムできなくても困りはしないし。それより従属魔法の効果アップの方が重要。
「よし、転職っと」
〈『死霊使い』に上位転職しました〉
〈称号『死に寄り添う者』を獲得しました〉
やったー!称号まで貰えた!!
効果は、テイムしている死霊系モンスター数に応じて取得経験値の上昇。
「もうそろそろ進むか」
「おーし、みんなで攻略だー!」
「きゅー!」【 好 】
「ガウ」【 嬉 】
「チゥアー」【 喜 】
【 無 】
意気込んで進み始めたけど、拍子抜けする羽目になった。
ロアが強すぎて私たち何もすることがねぇ。
一応私たちは私たちなりにやって来る敵を倒してるけど、こっちが1体倒してる間にロアは2体仕留めてる。
【 慢 】
そしてあのドヤ顔。表情変わらないけど。
まぁ当然か。レベル80はエグい。
対してリリスは顔しわっくちゃにして、歯軋りみたいな音立ててるや。
「ギュヌヌヌヌッ」【 妬、嫉 】
落ち着け。
亡霊は死んだモンスターの皮を被ってるって設定らしく、似た特徴があるモンスターだからか、リリスはロアに対抗心を抱いてるっぽい。
強力な戦力の途中加入で想定していたほど苦戦することもなく、めちゃくちゃ順調に進んでいっている。
何ならもう『旧世界の大怨霊』との戦いになる。
「順調に行き過ぎじゃないかな!?」
「前にお前が戦ったのとギミックは同じっぽいぞ」
「確かに。でも油断させて後半で違うの出してくるとかしてくるかもだから、気をつけなね」
「コヒナがなー」
まぁ、朔夜くんはゲーム慣れしてるしなぁ。
ボス戦とかも、私より手慣れてるだろ。
「大怨霊に物理効かないとなると、俺は手下相手か・・・やっぱ攻撃の魔法も覚えといたほうが良かったか〜?」
・・・・・・あ、そうだ!
「これあげるー」
投げつけたのは上級装備品『霊成手袋』月夜神のとこの大怨霊で2つドロップした片方。
これをつけると、霊体に触れるようになる効果がある。
武器を使う私には意味がないが、拳を使うさくたろーには有効だろう。
「よっしゃああこれで俺もあのデカブツ殴れるぜマジ感謝ー!!!」
「言いながらもう殴ってるう!?」
あいつ手が速い!
「私たちも負けてらんないね、勝つぞー!!」
「キュキュイ」【 殺 】
「グルルッ」【 敵 】
「ヂ、ヂュァ」【 奮 】
【 怨 】




