西の草原
早速、Fランクの依頼を受注する。
一度に複数できるみたいなので、
『3種類の薬草10個ずつを納品』
『ホーンラビットの毛皮5枚を納品』
『ホーンラビットの角3個を納品』
の3つを受けた。
続いて、ギルド内で配布されている町と周辺の地図を貰って、併設の道具屋に向かった。
購入するのは500Cの初心者調合師セットと150Cのナイフ。それと300Cで6個入りの使い魔フードだ。セットがないと調合師のレベル上げできないし、ナイフは鞭があるとはいえ、接近された時用に備えて。フードはリリスのご飯用に。
使い魔は種族によって食べるものが異なるが、このフードは皆んな食べられる仕様になってるらしい。無機物っぽいモンスターも物を食べるのかわからないけど、一応用意しておく。
回復薬は、下級回復ポーションが冒険者セットに入っていたから、買わない。
最後にスキル『採取』をSP1使って入手。・・・採取とか採掘とかは、SP使って入手してからじゃないとまともにできないのは面倒だな。
準備は整った。ホーンラビットのよく出る西の草原に、出発だー!
「きゅー!」【 楽 】
ルーズの町は、第1層の南側に位置している。北に大都市へ向かう街道。西に草原、東に湖があり、南に世界の端まで広がる森がある。
ホーンラビットは主に、西の草原に生息しているモンスターだ。額に一本角が生えていて、ジャンプしてそれを突き刺して攻撃してくる。後ろ足に力を入れる予備動作があるので、避け易い。
「リリス、魔法使って!」
「キュ!」
リリスに闇魔法Lv1で使える呪文『ブラインド』を使ってもらう。ブラインドは対象1人の視界を、少しの間暗闇にするものだ。
これでホーンラビットがテンパった所を、私が鞭でめった打ちにする。
うん。なかなか良い連携じゃないかな。
〈鞭術Lv1がレベルアップしました〉
〈ホーンラビットの肉をドロップしました〉
「あー、今回は肉だったか。まだまだ狩らないとねー」
「キュー」【 楽 】
「楽しいんなら何よりだよ」
今のところ、5匹狩って成果は肉3と毛皮3と角1。スキルは鞭術だけレベルアップした。
少し疲れてきたし、狩りを休憩して薬草集め始めるか。
大きな木の下の、影になっているところにリリスを降ろす。
鑑定で見つけた薬草を手に取る。
「影から出ないように、これと同じ草を集めて。私はこっちの、日向のところで探すから」
「キュン」
ハンカチがうぞうぞ動くのを確認して、私も薬草集めを始めた。
『苦草』
HPを微回復する。とても苦い。
『青草』
MPを微回復する。とても青臭い。
『澁草』
軽い毒に効く。とても渋い。
鑑定で見つけた3種類の薬草を、ひたすら集める。とうに10個ずつ超えてるけど、調合の材料になるので確保しておこう。
にしても、本当にこのゲームすごいなー。日差しと風が現実よりも気持ちいい。
「キュー!」
「おっすごい集めたねリリス。偉い偉い」
「キュイ」【 喜 】
リリスの集めた薬草も回収する。
頑張ったおかげで採取がレベルアップしたし、リリスも覚えた。
「よし!じゃあまた兎狩りの続きするよー」
リリスを手首に巻き、魔力感知でホーン・ラビットを探してもらいながら、私たちはまた草原を歩み始めた。
さらに追加で兎を10匹ほど倒して、ようやく必要数を集め切ることができた。
やー、角ラスト1本がなかなか落ちなくって大変だったなぁ。
成果としては、ドロップは肉12毛皮9角3。
ステータス的には、私とリリス両方Lv2になり、鞭術はLv3へ、私の鑑定とリリスの跳躍、魔力感知がLv2になった。
「こっからどうしよっか?リリスが疲れたなら町に帰るけど」
「キュキュ」【 怒 】
「えーっと、まだ平気だって?わかったよ。じゃあもうちょっと付き合ってね」
感情視、これもしかして喜怒哀楽の文字でモンスターの感情を表してるんじゃないかな。今のところ喜、怒、楽の3字しか見てないし。それで喜怒哀楽で表しきれない感情だったら、1番それに近いのに無理やり振り分けてるとか。
そう考えたらなんか不自然な時のも納得できるんだよな。
そんな風に考え事をしながら歩いていた私は、後ろから近付く気配に気付かなかった。