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エブリシング・オンライン  作者: 花南とや
34/48

アップデート後 


 メンテナンス明け、急いでログインした。


「みんな久しぶり〜!」

 まず真っ先に、体感3日振りのリリスとレティをギュッギュと両手で抱きしめた。

「キュー?」【  幸  】

「チウ?」【  喜  】

 あ〜可愛らしい、渇いた心が満たされる〜!!好き!!!

「ワウ」【  呆  】

「ルディもイベント中ありがとね〜〜!!」

「・・・ワン!」【  幸  】

 尻尾も振っちゃって可愛いねー!お腹わしゃわしゃー!

 私の真似して、レティもルディのこと撫で始めた。ルディも仕方なさそうに身を任せてる。

「ひぇ、可愛いと可愛いが戯れてるぅ。ここが楽園だ〜」

 幸せ♡




 イベント後のメンテを明け大型のアップデートを果たしたため、たくさんお知らせが来てる。

 興味ないのは後で確認しよ。

 まずはイベントのランキング結果だ。


 えーっと、各フィールドごとに第7位までが載ってんのか。普通こういうのって10位までじゃね?なんで7?・・・まいっか。

 あぁ、ランキングの自分の所は色が赤字になってんのね。私みたいに、匿名にしてるやつでもわかりやすい。


 〈総コイン数ランキング〉

 私5位だー!

 やったーベストファイブ入り!!頑張って524枚も集めたからなぁ。

 あっ、さくたろー3位じゃん。負けたー!

 アイツすごいな。けど悔しい!!


 〈プレイヤーキル数ランキング〉

 あー、多少はキルしたけど、私は載らないやつだな。・・・これ1位さくたろーじゃん。流石PK特化職。こっわ。


 〈総生存時間ランキング〉

 よっしゃ1位取った!なんせノーデスだからね!!


 〈エリアボス討伐数ランキング〉

 エリアボス?私1体討伐で2位にいるんだけど、もしかしてケルピーのことかな?

 1位がまたさくたろーだ。2体倒してる。次が、私と同率2位がもう1人。

 3人しか載ってないな。私たちしか倒せてないってことか。


 そして、白金コイン524枚分とランキング報酬を合わした私の総ポイント、なんと77400!

 なーにと交換しようかなっ!

 交換の画面はー、お、コレか。

 うわーいっぱい。知らないアイテムもたくさんある。決まらんない。

「フィルターで絞り込めるんだ。よかったー」

 まぁ交換期限はまだまだあるし、ゆっくり決めるかあ。



「ん?さくたろーからメッセージ来てるな」

 “話がある、2日後に畑集合”

 何のようだアイツ。

 流石に、もうおばけ果実の苗木育てる準備ができたはないだろうし。

「とりま行くか」




「いらっしゃいコヒナ。早速だけど、俺とクランやろうぜ!」

「は?」

 は??


 アップデートによって、ETOには今までに無かった機能がいくつか増えた。

 その1つがクラン。プレイヤー2人以上から、申請が可能になってるらしい。

 街ではさっそくクランの勧誘が始まってたけど、まさか私にも来るとは。

 クラン関係はあんまり興味なくて説明よく読んでなかったし、私には無関係だと思ってた。


「あーえっと、誘ってくれてありがたいけど、知らん人がたくさんいるのはちょっと」

「あん?ちげぇって。俺とお前の2人で作ろうぜって話だ」

「・・・なんで?」

 なんで知り合いの多いトッププレイヤーが私と?コイツなら、誘ってくれるとこたくさんあるだろうに。

「まずは気楽さだよな。お前相手に取り繕う必要ないし。今後仲間が増えることがあっても、うちはこういうノリです!つってぐだれるし」

「確かに私も、さくたろー相手にちゃんとしないととは思わないわ」

「あー、あとはまあ?人間関係のしがらみ的な?知り合い複数から自分たちの作るクランに立て誘われてんだけど、色々面倒っていうか。トップとか何とか言われてっけど、俺自体は別に攻略ガチ勢でも無いし。・・・暴れつつ農作しつつ、グダグダやりたいんだよなー」

「あー」

 朔夜くんは朔夜くんで大変なわけね。ゲームの中でまで色々気にしてて、友達多い人って大変だなー。

「あっ!ちゃんとコヒナのメリットも考えてるからな!

 1つ目、今後有るであろうクラン参加のイベンに参加できる。お前人見知りだから、ここで入っとかないと一生入らないだろ?」

 ぐっ、悔しいが否定できない・・・!

「2つ目は、クランに入ればクラン所有で土地を購入できる。ギルドランクCの俺がいれば、土地と持ち家が手に入るぞ!」

「むむむ」

 それは確かに魅力的かも。


 今回のアップデートで増えたもう一つの機能。

 プレイヤーが土地を買い、家を持てるようになったのだ!

 今まで所持フィールドといえば、『農業』の畑や『商売』の店舗みたいに、特定スキルのための場所しかなかった。

 それが、プライベートな空間を手に入れられるようになったんだからすごい。

 ただし購入には条件があって『ギルドランクC以上か、地位の高いNPCの保証人が必要』になっている。


 イベント前にチャチャっとDランクには上がっていたのだけど、Cへの道が遠い。

 なんせDランクの依頼を、100個こなさないといけないから。急に分量が増えやがった。


 これらの条件はクラン所有の場合でも変わらないけど、こっちの場合メンバーに1人でもCランクがいれば問題ないみたい。


「実はイベントの開始前にさ、コヒナに聞いたおばけトレントの育成環境を参考に色々見て回ってて、いいなーって思ってた場所があったんだ。そこの土地を購入して、拠点を建てたいんだ!・・・どうだ?」

 今のところ私に利点しかない。うーん。

「なんで個人で買わないの?」

「うっ」

 わざわざクラン所有にする意味がわからない。

「・・・あー、その、金がない」

「は?」

「土地に建築、めっっっちゃ金がかかる。今回のイベントのポイント交換で、2人で高く売れるものを交換して、予算にできないかと思ってました」

 金か〜〜〜、じゃあしょうがないかぁ。

「どのくらいかかるの?」

「土地の方は、欲を言えば1千万C。拠点はデザインにもよるけど、高くても1千5百万Cは超えないと思う」

 合わせて2千5百万ねー。

「いいよ、クラン作って私が全額出したげよう。そのかわり拠点の構想には、私の意見を全面的に採用させてもらうから」

「え」

 おお、固まってる。鳩が豆鉄砲を食ったような顔って、イケメンでもウケんね。

「は、え、全額?マジで!?」

「マジマジ。隠しダンジョンの初回攻略報酬のおかげで、私今すごいお金持ちなんよ」

 いぇーい、ピースピースぅ。ケラケラ笑いながら言ってみたら、頭叩かれた。

 何しやがんだ。

「じゃあさ、一回見に行こうぜ。3層だから、俺とパーティ組むか!」

 テンション高いな、急に。


 個人で階層ダンジョンクリアしてなくても、パーティメンバーに高位済みのやつがいたら、一緒に行くことができる。それを利用するんだろう。


「いいとこじゃないと、さっきの無しだかんな!」

「はは、期待してろよ!」




「ところでクラン名は何にすんの?『撲滅アレルゲン』?」

「確かに俺も毎年花粉症呪ってるけど、そんなダサいのは全力で拒否だよ!!」

「じゃあ何か案はー?」

「・・・『クリアウォーター』」

「舐めてんのか???」

 お母さんとおばさんの実家の苗字の清水(クリアウォーター)じゃねぇかよ!!



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