間話
珍しい人物からかかってきた電話に、少し驚いた。
「もしもし、何のよう?朔夜くん」
従兄弟の朔夜くん。
私にETOをくれたおばさんの息子。ここ数年は、年末年始に会うくらいしか関わり無いんだけどな。
『あっ雛子か?悪いな急に。母さんにゲームどうしたのか聞いたら、お前にあげたって言うからさ』
「あぁ、その件。貰ったよ。改めてお礼伝えといて」
『わかったわ。いや、せっかくやってんだったらフレンドならないかと思ってさあ。今どこいんの?』
フレンドかー。そんな機能があるのは知ってるけど、他プレイヤーと関わらなすぎて忘れてた。ぼっちプレイを満喫してるしなー。
まぁ、朔夜くんなら別にいいか。
「第1層のランスだよ」
『おっ!俺今1層いるからちょうどいいわ。」
「意外」
初日からやり込んでるらしいから、もっと上に在住してんのかと思ってた。
『俺サブ職農家でな。1層の西側一体が農耕地帯?みたいになってて、そこで畑やってんの』
「へ〜」
それは知らんかった。
『入口の農協の人にさくたろーの畑の場所聞いたらわかるから、待ち合わせしようぜ。あ、さくたろーは俺のPNな』
「おっけ。ちなみに私はコヒナだよ」
『ネットリテラシーって知ってるか?』
「おまいう〜」




