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エブリシング・オンライン  作者: 花南とや
21/48

地下4階 その2


 フワフワ、モフモフ、フサフサ

 疲れた心を癒すために、リリスたちの体をひたすらモフる。

「すぅー、はぁー・・・幸せ♡」

「キュウ」【  好  】

「ワフン」【  呆  】

「チ、チィ」【  恥  】

 うちの子きゃわぃ〜〜〜!!!!

 リリスがもっともっとって体を寄せるの可愛さ高杉晋作か〜!ルディも呆れながらも嫌がったり離れたりしないとかツンデレきゃわゆす尊み秀吉!!照れて恥ずかしがっちゃうレティの可愛いレベルが上杉謙信〜〜!!!



「ふぅ・・・・・・ごめん、取り乱してた。もう落ち着きました」

 ・・・さっきまでの私、めちゃくちゃキモかったな。

 ゲーム内だけとはいえ、しばらく人の目がないところで過ごしてるせいで、こう、自制心が緩んでいた。反省だ。

「や、本当に、ごめんなさい」

「キュァ」【  楽  】

 気にするな、と言うように頭を撫でてくれてる。可愛い。


「あ、そうだ。もうそろそろ食事にしよう」

 確認したら、空腹度がだいぶ上がってた。

 おばけトレントがリポップするのはまだ時間がかかるだろうから、そのまま木々の3分の1ほど減った森にテントを張った。

「ワン!」【  喜  】


 いつも通りにご飯を配ってる時、見慣れないアイテムがあることに気付いた。

「おばけトレントのドロップ品かぁ。レティ食べる?」

 取り出したのは『おばけ柘榴』なんと上級アイテムである。とてもおっきく艶の良い柘榴の実だ。

「チ!!ヂッチー!」

「うおっ」

 とんでもねー勢いで食いついてきた。一心不乱に貪ってるよこの子。

 柘榴は血の味がする、なんてお話もあるし好きかと思ったけど、まさかこんなに気にいるとは。

 まだあるし、無くなるまでご飯はコレにしよっか。せっかくの上級が勿体無い感もあるけど、今使い道ないし、レティが喜んでくれるし。

 レティだけに良い物あげるのは贔屓になるかなー。ダンジョン抜けてランス行ったら、高級肉と高品質の布買お。

「『おばけ柘榴の苗木』もあるけど、これは農業系のスキルないと育てらんないやつかな?・・・定期的に確保できたら、レティが喜ぶだろうけど」

 他にも『おばけ蜜柑』や『おばけ洋梨』それらの苗木もドロップしてた。

 おどろおどろしい見た目にしか見えなかったけど、実は愉快な連中だったのかもしれないな、おばけトレントたち。




 やって参りました廃墟ゾーン!

 ほぼ半壊してるのばっかだけど、古い石造の建物、趣があって良いなー。こう、魔王軍に襲撃を受けて壊滅した街の跡地、みたいな感じが良い。

 とりあえず近間の家?に入ってみる。

「え!?宝箱が有る!」

 ここにきて、ダンジョン探索の王道を見つけたか!?

「キュー」【  嫌  】

「ガウ」【  警  】

 あこれ違うやつだわ。うちの索敵2人が首横に振ってるもん。さっきのトレントのことがあってか、警戒心がぶち上がってるよ。

 しかし私の鑑定では、ただの宝箱としかならない。

「レティ、超音波で軽く刺激してやって」

 おそらくコイツも擬態特性のモンスター。

 ただし私だって学んでるんだ。こういう連中は攻撃を受けると、擬態状態が解けて本性を表す。


 ガバッ!


「うおっ」

 予想通り、レティの攻撃を受けた宝箱は1人でにその蓋を開き、中には無数の触手が蠢いていた。


『ミミック Lv30』


 ファンタジー王道の擬態モンスターだ!ちょっとテンション上がるー。

 それでも警戒を解かず、身構えていたのだけれど・・・何もしてこない?

「ん?なんでだ?・・・もしかしてお前、その触手範囲以外何もできないの?」

 完全待ち伏せタイプ。故に事前にバレたら何もできない、ってわけか。なんかしょっぱいな。

「まぁこの世は弱肉強食、私たちに見つかったのが運の尽きだったのさ」

 熟練度のために、私とリリスの魔法の的になってもらおう。



 ミミックも無事討伐したし、建物内の探索を進めよう。

 瓦礫が転がり、テーブルなんかの家具の残骸が残されている。

 ずっと昔は人が住んでたみたい。墓所のゾンビたちがここの住人だったんだと思うけど、なんでダンジョン内にそんなところが?

 文字っぽいものも見つけたけど、読めない。アルファベットでもないし、なんだろこれ。翻訳も効かないし、創作言語の類か?とりあえず、運営が意図的に読ませないようにしてるんだろう。

 スクショだけしとくか。


「この家はだいたい見たから、次の建物行こっか」



 どの建物もだいたい同じ。やっぱり街だったのかな。

 何個か宝箱も見つかったけど、全部ミミックだった・・・欲しかったなぁ、お宝。いや、水魔法のレベル上がったからいいけどさ。


 お初なモンスターにも遭遇した。

 『ゴースト』物理無効な幽体のモンスター。

 突然壁をすり抜けて現れた時は驚いたや。魔力感知で気付いてたリリスが、速攻仕留めてたけど。

 青白く発光し、少し透けてる骸骨。腰から下の骨はなく、周囲の空気が冷気を帯びてる。王道な感じだったなー。

 街の外れの方には、他にもゴースト系統のモンスターが何体かいて、こっちを伺っていた。攻撃もしてこなかったから、放置したけど。


 あと『リビングアーマー』もでた。

 倉庫の鎧が動き出した時は驚いたなー。

 鎧なだけあって硬かったけど、今まで見た中で1番動きが鈍かったわ。


 最初は「魔王軍に襲撃を受けて壊滅した」みたいな、強大な存在に突然攻め落とされたのかと思ってたけど、見て回ると印象が変わる。

 元からボロボロなところが最後にトドメを刺されたんじゃないか、と。

 残された家財は少ないし質素なのに、倉庫っぽいところには武器が多数あった。どれも錆びたりで、使い物にならなかったけど。

「戦争でもしてたんかなあ?」

 戦いによって困窮していたところで、ヤバい存在によってドカンとやられたんじゃね。


 このダンジョンについての重要な情報なんだろうけど、てんでわからんや。そもそも私、考察とか向いてないしなぁ。


 『◻︎◻︎の試練』の四角のところもわかんないままだし。

 試練。信仰・決心のかたさや実力などを厳しくためすこと。


 試す、誰かが与える物だ。じゃあこのダンジョンという試練は、一体全体誰が与えた?

「1番怪しいのは、あそこだよなぁ」

 あと1つ、確認してない建物。神殿。

「神様関連の情報は、基本設定の分しか知らないや。はぁ、ルーズの町の神殿に尋ねるくらいしとけばよかった」


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― 新着の感想 ―
[一言] 面白いですね(=^▽^=) そろそろ、配信をつけても良いかもですね
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