地下2階
早速やってきましたぜ下り道前!!傾斜30度くらいありそう!!
ルディに先行してもらいながら、慎重に降りて行く。
しばらく歩き続きていると、ようやく開けた場所が見えた。
「到着っと」
マップには『◻︎◻︎の試練 地下2階』と書かれてる。
「キュ!」【 警 】
リリスに促された方を、構えながら伺った。
奥からやってきたのは、二足歩行の、カエル?
『ポイズンフロッグ Lv10』
なんか紫の斑点模様のある、カエルの魚人みたいなモンスターだ。いやカエルは魚類じゃないけどさ。
見た目も名前もめちゃくちゃに「毒使います!」て主張しとるよ。
表面の粘液に毒があると判断し私の鞭とリリスの魔法、レティの音波で距離をあけ攻撃。止めにルディにガブっといかれて、呆気なく散っていく。
ドロップ品は『カエル肉』と『ポイズンフロッグの毒』が出た。
毒2種類目ゲットだぜ。
上のコウモリたちよりもレベルが高かったな、あのカエル。今後のことを考えると、あえて戦闘は避けずにレベリングしながら探索するべきかなー。
まだルディで安定して倒せるけど、いずれはルディと同じかそれ以上のレベルのモンスターも出てくるだろうし、いつまでも頼りきりじゃダメだ。
「誘引は使わなくていいけど、敵の気配がしたら倒しに行くよ」
「ガウ!」【 喜 】
行き止まりのところにある水場。
「おわぁ、ウヨウヨおるー」
そこには大量のオタマジャクシっぽいモンスターがひしめいていた。
〈ポイズンオタマジャクシ Lv4〉
〈ポイズンオタマジャクシ Lv2〉
〈ポイズンオタマジャクシ Lv5〉
〈ポイズンオタマジャクシ Lv4〉
ポイズンフロッグの進化前が溢れかえっている。多分ここが奴らの巣なのだろう。
「ふむ、せっかくだし試してみるか」
淵にしゃがみ込んで取り出したのは、コウモリの毒。
毒を使うモンスターに、他モンスター由来の毒が効くのか実験してみよう!
毒耐性があって毒全般が効かないのか、自種の毒にだけ耐性があるのか、気になる。
今後の戦略にも役立つかもだし。
いくつか放り込むと、徐々に色の変わっていく水。
元気に泳いでいたのに、どんどん鈍くなっていくオタマジャクシたち。
やがて水の中で動きを止め、時々痙攣し始める。
そしてしばらく経ち、水面に無気力に浮き消えていった。
そうして全てのオタマジャクシが消えた。
「ジェノサイドっちゃったや」
「キュゥ」【 哀 】
「ワゥ」【 哀 】
「チィ」【 哀 】
私がしたことだけど、なんかすごいテンション下がった。みんなもしょっぱい感じになってる。
時間をかけて、じわじわなぶり殺しにしてしまった。なんて酷いことを。いや、私が犯人なんだけれども。
「・・・実験結果を考えよう!毒系でも毒耐性があるわけではないので、他種の毒なら効く!終了!」
今後何かあったときにこの知識は役立つことだろう、きっと、多分。
「ゲコオォオオ!」【 怒 】
え、何?
振り返ったら、明らかにブチギレたカエルがいる。
うむ、私たちの所業がバレてしまったようだな。鳴き声に反応したのか、仲間が集まってきてる。
「こうなったら仕方がない、戦うかあ!!」
「キュー」【 呆 】
リリスに白い目で見られてる気もするけれど、気のせい気のせい。
さあ、カエル狩りの時間だー!
ついに最後の1体を倒し終える。
「疲れたぁ。これ地下2階の全てのカエルを仕留めちゃったんじゃないかなー」
乱戦に次ぐ乱戦。倒しても倒しても湧いてくる激闘だったぜ。
一方通行の奥に居たせいで逃げ場がなく危なかった。しかし向こうも数の利を生かしきれず、各個撃破で頑張った。
「回復薬飲もー」
何度か攻撃を喰らったせいで体に傷ができて血が流れている。ゲームの使用上痛みはほとんどないしHP回復ポーションを使えばすぐ治るけど、見てるだけでなんか痛い気がする。
「チー」【 好 】
「ん?どしたのレティ・・・あぁ、ま、いいよ。少しね」
「チ!」【 喜 】
ペロペロちっちゃな舌が、私の血を舐めとっていく。くすぐったい。
レティには、私の血を飲みたがることがあった。
私の血が良いのか、他が布と怪我しないやつだから私だけになってるのかは知らないけど。
血を飲むことで回復する特性だし、現実と違って感染症や人の血の味を覚える心配がないから、ダメージくらってる時はあげるようにしていた。
一方通行の通路から出て、テントを張って中に入る。
みんなにご飯を渡して私も頬張りながら、戦闘中見れなかったログを確認した。
「うわぁ、いっぱい溜まっとる」
みんな結構レベル上がってるし、スキルも成長してる。
まず私のやつは、と。
お、従属魔法上がって新呪文覚えてる。『アシスト・アップ』か。使い魔1体に攻撃力上昇バフね。
毒耐性も上がってー、ナイフ術も3までいってるじゃん。
狭かったせいで鞭が使いづらかったため、初めて戦闘でナイフを使った。
上級装備『水鏡の剣』
名前剣だけど、分類はナイフだった。サバイバルナイフくらいのサイズだからかな?
「これすごく便利だったな」
勿論性能がいいのはあるけど、何よりこの剣のいいところは、専用スキルがなくとも耐久値を回復させることができる点である。
一定時間清潔な水に浸けるで損傷が修復される、と説明にあった。流石に限界はあるみたいだけど。
水魔法で、いつでも綺麗な水を用意できる私と相性がいい。
あれ、闇耐性ついてる。闇魔法の攻撃とかくらったっけ?まぁいいか。
リリスはー、もうレベル8になってる!進化したのちょい前なのに。4人で分けてるのにこの上がりよう、どれだけ倒したんだろう。やっぱり格上経験値美味しいなー!
お、跳躍がレベルアップして上位互換の飛躍になってる!滞空時間アップだ。
魔法も2つとも上がって『ライトアロー』と『ブラックハンド』覚えたか。ブラックハンド、名前からして手に関する魔法っぽいけどどんなんだろ。リリス、手無いけど。
何度か攻撃を喰らったから毒耐性獲得して、その他もちょこちょこ上がってんな。・・・リリスも闇耐性手に入れてる。
お次は、レティだね。
もうレベル5まで上がっとる!
攻撃スキルも全般的に上昇してるし、吸血や牙術で噛みついてたぶん、リリスより毒耐性の上がりが良い。
ふむ、レティも闇耐性のレベル上がってる。
やっぱ気づかないうちに何かくらってたのかなー。
そして最後にさっき飛ばしたルディ!レベル20到達で、進化できるようになりましたー!
そして気配察知は気配探知に、気配遮断は隠密になった。ガンガン正面から倒してるのに、索敵隠密能力が上がってるな。
「それで、どんな進化先があるかなー」
〈進化先候補〉
『ラージ・イビルドッグ』
『イビルドッグ・コマンダー』
『ブラックドッグ』
「なるなる」
ラージはシンプルにデカくなるんだろう。純粋な強化系っぽい。
コマンダーは指揮系のスキルが手に入るのかな。集団で生きてるから、候補になったのかも。
最後のブラックドッグ。これはよくわからない。
確かイギリスの妖精だか魔物だかだったと思うけど、どんな姿になるか想像がつかないわ。
ただ、確実に普通にやってたら出てこないタイプの候補に違いない。
「よし、ブラックドッグで」
進化はスキルじゃないので、テントの中でもできる。
ルディ
種族 ブラックドッグ LV1
特性 不吉 性別 オス
HP 110 MP 90
STR 95
VIT 55
DEX 85
INT 45
AGI 85
スキル 牙術 爪術 強盗Lv7 疾走LV5 闇耐性Lv6
気配探知LV1 隠密Lv1 毒耐性 潜水Lv6
吸血耐性 誘引Lv4 予感Lv1
「めっちゃくちゃカッコいい!」
濃茶色の毛は艶のよい漆黒に、瞳の色は朱殷になっている。体格も一回りは大きい、背中に私が乗っても余裕がありそう。その分もふもふ成分も上昇だ。そして、より精悍になったお顔はシベリアンハスキーっぽい!
ステータスもすごい。特性が変わってる。
『敵の確率性スキルの成功率低下』
ほう。ルディの強盗みたいなスキルを、失敗させやすくなるのね。
あと新しいスキルは、『自身に迫る危機を予感する』ね。
いわば危機察知。助かり過ぎる。うちのパーティー、ルディがやられたらお終いだから。
いや、私たちだって頑張ってるけどさー!
進化前のステータス
ルディ
種族 イビルドッグ LV20
特性 悪食 性別 オス
HP 80 MP 70
STR 75
VIT 40
DEX 65
INT 35
AGI 75
スキル 牙術 爪術 強盗Lv7 疾走LV5 闇耐性Lv6
気配探知LV1 隠密Lv1 毒耐性 潜水Lv6
吸血耐性 誘引Lv4




