初ダンジョン その2
今週2話目です
足元から攻撃してきたモンスターを即座に鞭で拘束、みんなで集中攻撃して仕留めた。
〈ワームの尻尾をドロップしました〉
「ワームで初のドロップ品だー」
ワームは、洞窟エリアによく出現するモンスターだ。土の中に潜み、振動により獲物を感知し不意打ちで攻撃する。
うちは魔力感知や気配察知で事前に警戒できたけど、掲示板によく被害報告が上がってた。
片方の先端が丸いピンクの肉塊を見やる。
「ワームの尻尾、これ尻尾扱いなんだ」
なんかグニュグニュしてる。気色悪いな。
「チ、チ！」【 喜 】
「ん？レティどしたん？・・・え、食べるのこれ」
肩に引っ付いていたレティが手の上に飛び降りると、肉塊に噛みつき始めた。
「えー」
コウモリたちはワームを食べてたってことかな。
オオコウモリの見た目でフルーツを食べて、でも肉も食べるんだ。雑食なんだこの子。
なんで兎肉はダメだったのか疑問だけど、大きすぎたか硬かったんだろう。
それからもガンガン突き進んだ。
自分のマップを確認しつつ、右沿いに洞窟の中を探索していく。
出てくるのは吸血コウモリ、時々スモールに派生系っぽいのとワームだけで、今のところ危険な目にはあっていない。
レティもどんどんレベルアップして、進化も近いんじゃないだろうか。
一度休憩のためにテントを初めて使った。
「ご飯食べよっか。中入って」
「キュー！」【 喜 】
「ワン！」【 喜 】
「チー！」【 喜 】
みんな元気よく飛びこんでく。
「せっまぁ」
ほとんど私とルディで場所取ってるな。ぎゅうぎゅうだ。
兎肉にコウモリの翼、野いちごを渡して、私も魚を焼いて食べ始めた。
うーん。一切味付けのない焼き魚。味気ないけど、レーションよりかは美味しいかな。
「休憩終わり！外出るよ。周り気をつけてね」
〈レベルアップしました〉
〈リリスがレベルアップしました〉
〈ルディがレベルアップしました〉
〈レティがレベルアップしました〉
〈レティが進化可能となりました〉
「よっし！」
あと30分でログアウトといったところで、レティが進化するところまでいけた。
途中でリリスの光魔法もレベルアップして『ライトボール』が使えるようになったのも良かったなー。
10秒で切れるライトに比べて、ライトボールは1分は光り続けてる。
〈進化先候補〉
『吸血コウモリ』
『スモール・ポイズン吸血コウモリ』
『イマチュア・サーヴァントコウモリ』
3つもあるー！！
1つ目は正当進化先だな。体が大きくなる。
2つ目は途中で見たやつだ。
うっかり毒盛られて、澁草を食べる羽目になった。とんでもなく渋かった。毒耐性も獲得した。
幸いルディは毒耐性極めてるし、その他の子も使い魔用解毒の呪文、従属魔法Lv3の『アシスト・キュア』で対処できたけど。
ドロップに『コウモリの毒』が手に入ったや。
3つ目は、なんだこれ。イマ、どういう意味？辞書辞書・・・なになに？
immature:未熟な,大人になっていない,未完成の,幼年期の
つまり、未熟な従者のコウモリ、ってことかな。これはテイムされた影響っぽい。
「うし、特殊進化先っぽいしこれにしよう」
〈レティがイマチュア・サーヴァントコウモリに進化しました〉
見た目はあんまり変わってない。でも少し毛艶が良くなった気がする。あと、首のところで赤いリボンが巻かれていた。おしゃれ可愛い。
レティ
種族 イマチュア・サーヴァントコウモリ LV1
特性 血液回復 性別 メス
HP 30 MP 36
STR18
VIT 15
DEX 25
INT 18
AGI 35
スキル 吸血LV5 消音LV4 牙術Lv4 遠視LV3
闇耐性Lv1 音波Lv1
やっぱ一気に経験値ぶち込まれるから、スキルの熟練度が溜まりづらいんだよな。
あーでも、新しいスキル。今までできるやついなかった全体攻撃のスキルじゃん。やった！
「よっと、ワームが2匹、早速お願い、」
「ちー！」【 楽 】
足下からの襲撃を飛び退いて回避、せっかくなので音波を使ってみてもらった。
パカっと開けたお口から鳴き声と共に、円状の衝撃波っぽいものが周囲に広がっていく。
一撃の威力は低いけど、攻撃範囲が広い。もっと複数対相手でも使えそう。
「お、ここ最初のあたりだ。じゃあ次に進む道はあの坂道かー」
途中で傾斜のキツい通路があった。とりあえず全体を見て回ろうと思ってちょっと覗いたあと、後回しにした道だ。
「今日はここでテントを張って、明日はあそこから進むか」
リアルでも寝ないといけない時間に差し掛かる。
今日はここまでにしておこう。
進化前
レティ
種族 スモール・吸血コウモリ LV10
特性 血液回復 性別 メス
HP 16 MP 20
STR 9
VIT 8
DEX 14
INT 10
AGI 20
スキル 吸血LV5 消音LV3 牙術Lv4 遠視LV2
闇耐性Lv1
