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8話 演習と敗者

 3日後、演習場。僕達は班を組んで演習に挑んだ。演習の内容は、4班それぞれが四方に配置され、中央で砲撃しながら待つ先生の元に辿り着いて戦闘不能とする事。ちなみに、勝者は先生を戦闘不能とした組。他の組に対して妨害、排除を行う事も可能だという。戦闘不能の判断は学園支給のクリスタルが損壊する事が基準となる。学園の研究の成果の一つで、心臓兵器の攻撃を小規模だが肩代わりしてくれる代物だそうだ。実戦レベルではなく、あくまで訓練のダメージ判定程度にしか利用できていないそうだ。


 班分けは以下の通りになった。


 北西:アイン、ノマール、ロイド


 北東:アリサ、レイナ、ルナ


 南西:カール、ハドー、ソーン


 南東:ランド、イジー、フレッド


 僕達は北西の岩だらけの低い山がスタート地点だった。


 「僕は入学試験の時、ここがスタート地点だったんだ。僕がある程度案内するから、2人とも付いてきてくれるかな」とロイドが優しく話しかけてくれる。


 僕達は2人で頷き、ロイドについて歩いていった。


 入学試験の後、先輩方が魔物の調査をしてくれたらしく、比較的強い魔物はほとんど討伐されたらしい。心臓兵器を見出している僕達は簡単に進めてしまった。

 だが、そう簡単に事は運ばなかった。山を抜け、先生が待つ森林地帯に差し掛かったあたりで僕達を呼び止める声がしたからだ。


 「おう、北西のグループか。お前らは先生を簡単に倒してしまいそうだな。ノマールもいる事だし、久しぶりにやってやるか」とハドーと呼ばれた大男が拳を握り、構えてくる。


 事前にノマールからハドーの心臓兵器については聞いていた。ハドーは風属性の短射程高火力の心臓兵器だそうだ。ハドーの戦い方は、風を拳に纏わせて握り拳の前にダガーのような形の風を形成させる。そして、拳の勢いに合わせてそれをさらに尖らせ、敵を貫くといったスタイルで戦ってくるようだ。ハドーの武術センスはわからないが、身体に馴染みやすいシンプルな戦いをしてくる厄介なタイプだ。それに加え、後ろにはカールがいる。並大抵の火力では回復されてしまい、ジリ貧になる。


 それと、彼女だ。ソーンに関しては、心臓兵器も戦い方も知らない。このアドバンテージは大きい。僕達の情報はハドーとカールによって知られてるだろうし、ロイドは元々目立つ中盾使いだ。隠しようがない。だが、とりあえず戦うしかないな…


 睨み合いを始めてすぐ、動き出したのはハドーだった。ハドーはロイドに目掛けて突進した。ロイドは想定内と言わんばかりに盾を構える。ハドーの怒涛の乱舞を受け流しながら、反撃の機会を伺っているようだ。


 ハドーは歯を剥き出しにするように笑い、「おいおい、盾使いさんよー。防戦一方じゃ俺は砕けねえぞ。オラァ!」と一際強い一撃が盾に叩き込まれ、ロイドは受け止めたものの大きく吹っ飛んでしまう。


 受け身を取ったロイドは、すぐにハドーの元に走り出し、僕達に向かって「僕がハドー君を止めますっ!2人でソーンさんとカール君を無力化してください!」と叫んだ。


 ハドーはその様子にニヤリと笑い、「おいおい盾使いさんよお、舐めてくれるじゃねえか。俺はお前みたいなヒョロイ奴に止められる玉じゃねえぞ」と再び連撃を開始する。


 僕達はロイドの指示通り、カールとソーンを狙う事にし、走り出した。


 しかし次の瞬間、ノマールは脱落する…



 走り出して数歩進んだ瞬間、急に横のノマールが倒れた。何事かと振り返ると、ソーンがノマールを槍で突き刺していた…


 クリスタルは割れ、ノマールは気絶。脱落だ。


 ソーンは槍の使い手のようだ。しかもかなりの手練れだ。ノマールの技量は分からないが、さっきまで魔物に苦戦するレベルの戦いはしていなかった。それなのに、呆気なく一撃で倒れた…


 ソーンはこちらへ向き直し、すぐに槍を構えて地面を蹴る。


 僕はすぐに大剣を取り出してガードしたが、重いッ…!あの狼の時とは違い、単純な物理での攻撃は初めて受けた。この重さは尋常じゃない…


 ガードされたのを見ると、ソーンは槍の柄の方で大剣を突いてきた。僕は大剣を地面に突き刺しながらだったが数メートル後ろに下がった。


 反撃に転じようと大剣を引き抜くが、すぐにソーンの槍が華麗な連撃を加えてくる。一撃一撃が重すぎて、受け流すのがやっとのレベルだった。


 打つ手が無い…どうする…そう考えていると、横から人影が見えた。僕は横に吹き飛んだ…


 すぐに受け身を取り、周りを見るとそこにはロイドが立っていた。ソーンの攻撃を完璧に受け流し、隙あらば盾の先で叩き返していた。


 ロイドは僕の方を一瞥し、「アイン君立って!ソーンさんを倒しますよ!」と叫ぶ。


 その一言で我に返り、「任せて!」と大剣を持ってソーンに突進する。だが、そこで僕の体は動かなくなった。


 横を見ると、カールがクロスボウを構えて僕を射抜いていた。カールは治癒の矢しか放てないはずだったのに、僕の体には、風の矢が刺さっていた…


 カールはクロスボウを下げ、風の矢を再装填しながら「悪いなアイン。この勝負、貰ったぜ」と言い放つ。


 僕のクリスタルは割れ、僕は動けなくなった。ロイドもこちらの事を横目に見た瞬間、ソーンに盾を弾かれ、身動きを封じられ降参した。僕達は最初に敗退した。




 その頃、他の組も同じように熾烈な戦闘を繰り広げていた…

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