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13話 日常への復帰

数日後。僕はいつも通りの生活に戻っていた。今日は実地演習前の地理の講義だ。


 「おし、今日も講義するぞー。今日は2週間後に控えた実地演習のためにこの島の地理について話していこうと思う」

 「このアインツマイヤー領では、ここ以外に4つの大きな都市がある。それと、ここの周辺と同じようにポツポツと村が点在している。基本的には実地演習、長いから遠征でいいか。遠征にはこの4つの都市に分かれて行ってもらう。一つ一つ軽く説明していこう」

 「まず1つ目の都市。一番安全で平和な場所だ。南西の方角にある豊穣都市ロベルト。魔物の発生が少なく、土地も豊かだ。穏やかな気候も相まって隠居生活にもってこいの場所だな!まあ、遠征として行く場合は、基本的に心臓兵器研究と魔物の退治、住民との交流が主になる。ほとんど戦闘することもないだろうし、研究とか地域の活性を将来目指すなら選択肢になるかもな。」

 「2つ目の都市。北西方向にある鉱山都市ハベル。ここは鉱山に囲まれた山岳地帯だ。西側だから魔物は多くなかったんだが、荒くれ者や西に進出した魔物の隠れ家ともなるような場所が多くて、治安がそこまでよくない。前線と違って戦闘が日常的とは言わんが少なくない地域だ。治安維持や心臓兵器使いの制圧といった、自衛とか諜報活動をしてみたいって考えがあるやつは大きな学びを得られるだろう」

 「3つ目の都市。北東方向にある前線都市シリウス。ここは、東側で最も魔物が集まる地域だ。シリウスは4つの都市の中で一番新しい。境界線が出来た後に作られた街が発展した場所だ。あの街にはシリウスと呼ばれる緋く光る石が祀られていた。境界線が出来た時に天から降ってきて、美しいほどに緋く輝いていたそうだ。その神からの贈り物のような岩を信仰して作られた街だったんだ。だが、魔物が出現するようになってからはその岩を狙うように魔物が徒党を組んで攻めてくるようになったそうだ。今はその岩に光はなく、信仰も薄れてきているそうだが、シリウスはその都市の位置から最前線に近い重要拠点となっている。だからこそ、あそこは度重なる戦闘をしてでも守らなくてはならない場所なんだ。今のところは学園から出た優秀なやつらが中心になってあそこを防衛し、シリウスは繁栄し続けられている。だが、いつ均衡が崩れてもおかしくない。だからこそ、最前線を目指すやつはここで戦場を知るといい。ここを経験しても最前線を目指そうと思えるなら、全力で応援する」

 「最後に4つ目の都市だ。南東にある魔術都市オーブ。ここは、心臓兵器使いの中でも魔術の類を見出した者がこぞって集まる場所だ。東にありながら大きな被害を受けずに都市を維持し続けている珍しい場所でもある。襲撃が少ない理由は、都市に結界が張られているためだ。あそこを治めるのは三賢者と呼ばれる優秀な魔術を見出した3人の心臓兵器使いだ。その1人が都市全体を覆う結界を作り、魔物が近寄れないようにしている。だからこそ、あそこは東で一番安全な場所だ。そして、あそこでは魔術系列の心臓兵器使いに対して、それぞれに合った使い方や応用の方法を伝授してくれる。さらに、そこで出会った者達で継承を行う事で、魔術系列の心臓兵器の応用、発展を目指しているんだ。実際、あそこを遠征にした選んだ事で最前線に参加できるほど強くなった魔術系列の心臓兵器使いの生徒は何度か見た事がある。オーブ出身の魔術系列の心臓兵器使いはそれだけで期待が高まるほどだ。魔術系列の心臓兵器を使うやつはここで特訓してもいいかもしれんな」

 「長かったと思うが、これが4大都市のザックリとした概要だ。それぞれの遠征先には信頼できる先輩がいる。その先輩の指示に従いつつ学びを得るって感じだ。それで、ここからが重要な話だ。」

 「今週末に演習を行う。チームは4人1組。3チームだ。前回の演習場で総力戦をする。リーダーは前回の演習の優秀成績者の3人。そこ3人がそれぞれチームメンバーを指名してチームを組め。勝ち越したチームのメンバーは遠征先を優先して選択する権利を得る事ができる。今回の遠征は特例で、いつもの4人1組じゃなくて3人1組だ。つまり、1つの都市に3人しか希望できない。希望する都市に行きたいなら、よく考えて編成しろよ。以上だ。解散!」


 ガイウスは皆の驚きを横目にそそくさと教室を出る。教室は静まり返った。



 第一声を出したのはロイドだった。

 「ちょっと空気が重い気がしますが、チームを編成しましょうか。アリサさん、レイナさん、あちらに来ていただけますか?」と壇上を指差す。


 「はい。」と2人は思案しながら壇上に向かった。ロイドも続く。


 「先生の話から、僕たち3人が独断でチームメンバーを指名するようです。とりあえず、公平に行きたいので順番にではなく一緒に3人で名前を呼びます。そこで被った生徒がいれば、呼ばれた側の生徒がどちらかのリーダーを選んで参加してもらいます。これでいかがでしょうか?」とクラス全員にロイドが問いかける。


 「異論ないぜ。さっさとしてくれ」

 「ああ、俺たちはリーダーに従う。始めようぜ」

 と賛成の声が多くあがった。アリサとレイナも同意する。


 「では少し時間を置きます。お2人も指名する生徒をそれぞれ考えてください。他の皆さんも申し訳ないですが付き合ってください」とロイドは頭を下げる。


 5分ほど経過し、アリサ達が壇上に戻る。この数分の間、誰も声を出さず緊張した様子だった。どう指名していくのだろうか。


 「では、始めます。お2人も宜しいですか?」


 「はい」

 「ええ」

 と静かに2人は答える。


 「では、1人目を言いましょう。3.2.1…」


 「フレッド」

 「ハドー君」

 「アイン」

 教室がざわめいた。


 「アイン?前回は成績も良くなかったはずだろ。わざわざアリサが1番に選ぶのか…?」

 「アリサさん?こんな事言うのはあれっすけどアインでいいんすか?」

 当然だ。前回の僕は全く戦闘にならないレベルだった。皆の反応に何も驚く要素はない。アリサは先生に膝をつかせたレベルの強者だ。誰を選んでもアリサについてくれただろう一番目を、わざわざ僕にする理由はないはずだ。


 「はい。私はアインがチームに必要だと感じたので選びました。この選択は何も間違えていませんよ」と困惑していたイジーやランドにニコッと笑いかける。


 すっごく圧を感じたが気のせいだろうか?いや、イジーとランドが汗だくになってるからこれは、うん…


 「では、僕のチームメンバーの1人目がハドー君。レイナさんはフレッド君。アリサさんはアイン君ですね。では、次2人目です。3.2.1…」



 「カール君」

 「ソーンさん」

 「カール」


 「おっと、カール君が被ってしまったようですね。では、最初に説明した通りカール君に選択してもらいましょう。どうしますか?」


 「俺か?あー、まさかこっちで選ぶことになるとはな…じゃあ、そうだな。入学試験の時からの縁だしアリサと組むわ。ロイド、ごめんな」


 「わかりました。では、カール君はアリサさんのチームでお願いします。それでは僕は、ルナさん宜しいですか?」


 「は、はい!私ですか?!も、もちろんです!精一杯頑張りますよー!」と驚きながら手を挙げる。


 「ありがとうございます。ではこれで、僕の2人目のチームメンバーはルナさん。レイナさんはソーンさん。アリサさんはカール君ですね。では、最後に3人目です。3.2.1…」


 「イジー君」

 「ランドさん」

 「ノマールさん」


 「おお、被りませんでしたね。では、これでチームは決定です。皆さんお付き合いいただきありがとうございました。以降は各チームで作戦を練りましょう。解散します。ありがとうございました」


 と驚いた事にあっさりとチームは決まった。その後、それぞれのチームは1週間のうちにそれぞれは学園に通いながら作戦を練っていた。


 アリサ班

  アイン・カール・ノマール


 レイナ班

  フレッド・ソーン・ランド


 ロイド班

  ハドー・ルナ・イジー

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