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第32話 キャスカは俺の嫁

博人達がキャッキャウフフしてる間も、もう一方の転移者であるラッセル達の勢力 サウルスは、着実に勢力を広げているのであった。

ヴォルフ国 ファング平原ーー


 サウルス国、ヴォルフ国の大軍が向かい合っている。


 ファング平原を抜かれれば、目と鼻の先であるヴォルフ国の王都への侵入を許してしまう。

 この地を最終防衛ラインに設定したヴォルフ国は、存亡をかけた戦いを挑む。



 サウルス国 本陣ーー

 軍用車両の前に、バイクが2台あった。 

「壮観だね、父さん」

 デイルがラッセルに言う。

 サウルスの本拠地 トロオドン城から駆け付けたラッセルは、布陣する両軍の様子を感慨深げに見やっていた。 

「無理をするなよ」

 そう言ったラッセルに、わかってると答えて、バイクに乗ったデイル。

「そんじゃ、父さん、行ってくるから」

 セガンがラッセルに言って、バイクを走らせ、その後をデイルがバイクで追いかけていく。


「狼煙を上げるぞ、……転移者、俺達は、ここにいる!」

 ラッセルは、走って行く息子達を見やって言うと、ジェイク王に戦闘を始めるように指示をする。

 そうして、自身は軍用車両に乗り込む。


 サウルス国の本陣、ジェイク王が命を下す!

「全軍、進軍開始! ヴォルフの兵士を殲滅せよ!」

 全軍がヴォルフ国軍へと向け進軍を開始した。


 リザードマン、オーク、ゴブリン、巨人族、異形の軍勢が、人間のヴォルフ国の軍隊に向けて突進していく。

 その先頭には、バイクに乗る雷光のデイルと電光のセガン!


ブオオォォォオオン!

 土煙を上げて進むバイク!

 デイルとセガンは、手にしたビームアサルトライフルをバイクに乗ったまま両手で構える。

 そして自分達を討ち取ろうと向かってくるヴォルフ国の軍勢へと向けて撃った!

 閃光の先、兵士達が死んでいく。


「あの光…… 奴等だ、雷光のデイルと電光のセガン!」

 ヴォルフの兵士達の進軍の足が止まり、サウルス軍の士気が上がる。

 そのままデイルとセガンを含むサウルス軍は、ヴォルフ国軍勢の中に突っ込んでいき戦闘が開始された。


 オークやゴブリン達、歩兵が人間のヴォルフ国兵士に襲い掛かる!

 足の遅い巨人族は、移動砲台として投石を開始!

 浮足立ったヴォルフの兵士達へと突撃したリザードマンの騎龍隊が手にした槍で次々と敵兵を突き刺していく! 


「俺達は、ここだぞ! かかってこい!」

 デイルが叫びながら、バイクを走らせる!

 ライフルをバイクに差して、剣を抜き乱戦の中、迫る敵を斬って捨てる!


「雷光のデイルだ! 奴を討ち取れ!」

 その姿をみた、ヴォルフの指揮官が叫ぶ!

 その名を聞いた兵士達の中には怖気づく者もいたが、功名を狙いデイルを討ち取ろうと沢山の兵士が向かっていく!

 

バシューー!

 ヴォルフの指揮官の額を撃ち抜いたセガンは、手にハンドガンをもってそのまま、バイクを走らせる。


「セガン、飛び道具つかって…… もっと楽しもうぜ!」

 デイルが、叫ぶがセガンは、バイクを走らせ軍勢の中を走り去っていった。


「しょうがないな、セガンの奴。 ……まっ、こっちはこっちで楽しむ事にすっかな」

 自分を取り囲む敵兵を見て行ったデイルは、剣を手にバイクを走らせる!

「どうした? お前達は、そんなものか? もっと楽しませろよ!」

 デイルは、敵兵の首を刎ねて行く。


エスタディス国 カウル地方 町田家跡ーー


「それじゃ、行ってくるから、体に気をつけるんだぞ」

 RV車に荷物を積み込んだ父さんが言った。

 本当に、これで良かったのだろうか……

「博人、敵の事は私達に任せて、あんたはキャスカちゃんの事頼んだわよ」

 母さん……


「お、俺もっ」

「博人!」

 ウィズが大きな声を出して、俺に掴みかかってきた。

「う、ウィズ?」

「お前は、キャスカの傍にいてやれ!」

 ウィズ……


「博人……」

 キャスカが心配そうに俺を見ている。

 ……そうだよな。


「すまん、だがな、キャスカが生きていたんだ、キャスカを守ってやってくれよ…… カリナを守ってやれなかった俺の分まで……」

 俺を掴んでいた手を放しながらウィズが言った。

 みんなが、決心して俺とキャスカを戦いから外してくれたってのに……


 博人は、俯き……そして、顔を上げた。


「ああ、ウィズ……守ってみせるよ」

 ウィズが笑ってくれた。

 俺は、父さんを、母さんを、ウィズを目に焼き付けるようにジッと見た。


「父さん! 母さん! ウィズ…… 死なないでね」

「馬鹿野郎、俺も、朱美もウィズも死ぬつもりなんてないよ!」

 父さんが笑って言ってくれた。

 キャスカが俺の腕に抱きついて、泣きそうな顔をしている……

   

「キャスカ、父さん達が心配しないように、笑顔で送り出そうな」

 泣きそうなキャスカに言って、父さん達をみる。

 父さん、母さん、ウィズが俺達を見て、車に乗り込んだ。


「そんじゃ、いってきます」

 父さんが車から顔を出して、言った。

「いってらっしゃい!」

 手を振った。

 大きく。

 元気に。

 俺達は、元気だがら! 何も心配しないで良いから、死なないで欲しいと!


「いってらっしゃい!」

 キャスカも手を振る。

 

「いってらっしゃい!」

 俺とキャスカは、父さん達の車が見えなくなるまで手を振った。

 ……二人とも泣いていた。

 申し訳ない気持ち、父さん達を案ずる気持ち、色んな気持ちがこみ上げて、涙が出た。



「キャスカ……行こうか?」

 俺は、キャスカの手を取って言った。

「……うん」

 キャスカは、頷いてくれた。


 俺とキャスカの生活が始まるのだ。

 きっと、楽しいぞ!

 うん。

 嬉しいよな?

 最高じゃないか!

 うん……

 

「……」


 博人の足が止まる。


「博人?」


「……あの、キャスカ」

 俺は、キャスカに……でも……


 キャスカは、ふうっとため息をついて、博人をみやった。


「いいよ、僕も同じだよ」

 キャスカ……


 俺の顔を見上げているキャスカの顔は優しくて、そして、俺と同じ気持ちのようだった。



ブロロローー……


 母さんのワンボックスカーに乗った。


「博人、お父さんとお母さん達、だいぶ進んでるだろうね?」

 助手席のキャスカが言うように、だいぶ先に行ってるだろうけど、心配しない。

 目的地は、同じだ。


「キャスカ、ごめんな、でも、俺達だけ安全なとこで幸せになろうって気分になれないんだ」

「そうだよ、僕だって、こんな状態で博人と一緒に居ても……みんなで幸せになりたい」

 そうだよね。

「サクッと倒して、一緒になろうな」

 キャスカは、博人の言葉に赤くなる。

「……それって?」

 キャスカ?

 それって、言ったら、ほら、アレだよ。

「好きだからね結婚したい」

 うん、そう言う事だろ?

 俺は、キャスカをみた。

「……うん」

 キャスカが頷いて答えてた。

 そうか。

 まっ、解ってくれたなら良かった。


ブロロローー……


 森を進む車。


「……」

 あれ? 俺、今、好きって、さらっと言わなかったか?

 しかも、プロポーズまで……

 自分でも、顔が真っ赤になるのが解る。

 今になって恥ずかしくなってきた。

 いや、そんな事より…… もっと、劇的に愛してるって言葉を伝えてプロポーズしたかった!


「キャ、キャスカ! 今の無し! もっと、こう劇的な愛の言葉で、プロポーズをだなっ!」

 焦って俺がキャスカに言ったのに……、

「だめ、取り消し出来ません。 ちゃんと、お嫁にもらってもらいますからね」

 だって。


 キャスカは嬉しそうに言って窓の外を眺めている。


 俺は……嬉しかったりする。

 最高じゃないか!

 キャスカは、俺の嫁!


「……もちろんです」

 俺は、声が裏返ったが、答えた。

 キャスカに言ったのだが、黙ったままだ……

 ただ、キャスカのその手には、一年前のあの日、俺が買って渡しそびれた髪飾りが大事そうに握られていた。

 俺は、嬉しくなって、やっぱり、キャスカの事が大好きだと思った。

 

プロポーズした。

受けてもらえた、

ウヒョーーー! 最高じゃい!

後は、敵をサクッと殺ればいいんだろ? ん? そんな顔すんなって、大丈夫、大丈夫!

心配すんなって!

って事で、次回も、乞うご期待!

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