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第2話 両親の秘密

知らない場所にいる。

両親は、拳銃を所持。

俺の頭は、混乱中。

兎に角、話を、そう、話をしよう……

 家の中に戻った。

 リビングのソファーに両親が座り、俺は床に胡坐をかいて座ってる!

 聞きたい事も話したいことも沢山あるぜ……


 俺の目の前に、渋る父さんと母さん……

 

 フッ……


 なぜ渋る!

 この、異常事態に、これからの事とか、話し合う事が山ほどあるだろう!


「博人、せっかく会社が休みになったんだから、ゆっくりとさせ……」

「父さん! あんた、外に出たでしょ? 見たんでしょ! 会社なんて、無いよ! 今日も、明日も、明後日も、ずっと、ずーーっと、休みだよぉ!」

 うっ、……父さんが呑気な事を言うので、思わず大きな声を出してしまった。

 俺って、こんな、キャラじゃないのに……


「突然森の中に来ちゃったけど、どうしちゃったのかしら……」

 母さん……

 そうだよね、不安だよね。 俺も、凄く不安だよ!

 なんで、あら、どうしましょう? って、テンションなの?

 そうか、これが現実逃避って奴か……

 大人だから気づかない?

 そう、ここって…… 


 博人は、真剣な顔になり……両親を見据え、ゴクリと唾を飲んだ。


「父さん、母さん、落ち着いて聞いて……ここって、……異世界だと思う」

 床に座る俺が指を組んで額につけた状態で静かに言った……

 自慢じゃないが、俺は、書物を読む趣味を嗜んでいる。

 そんな俺が、多くの書物から得た、数多ある知識をもってして導き出した答え……


 それが、異世界だ!


 キラッとして、両親を見る博人。


「ぷっ、博人……お前、漫画の読みすぎじゃないか?」

 父さんが、俺に言っ、今、笑った? 笑ったよね?


 その時、母、朱美が気づいた!


「そうだ、お父さん! 博人の部屋に、小さな女の子の裸が沢山出てくる漫画が沢山あるの……だから、そんな事を言いだしたんじゃ……」

「……博人、お前……くれぐれも事件とか、起こすんじゃないぞ」

 両親が、心配そうに俺を見……うん、俺を心配してくれる優しい家族っ!

 ありがたくって、殺意が沸くよ!

 隠してた薄い本が母さんにバレてて半泣きだ!

 だから、あれほど俺の部屋に勝手に入るなと……いや、それより誤解を解かなきゃ!

「あの漫画に出てるのは、みんな成人だよ!」

 俺は、ロリコンじゃな……

「って、今は、そんな事、関係ないだろぉーー!」

 俺が、泣きたい気持ちでいる時、何か考え込んでいた父さんが口を開く……

「博人、父さんが思うに、ここは、元いた世界からずっと未来、核戦争か何かで人類が滅亡した世界だと思うんだ……」

「いや、何、その悲しい設定……」

 父さん、お前は、何言っている?

 俺の異世界を否定した挙句、精神的なダメージも与えたくせに。


 それに……


「ほら! アレ、完全にゴブリンでしょ? ファンタジーの世界じゃん!」

 俺は、庭に転がる母さんが射殺したゴブリンを指さして言った。


「あれは、核の影響で、ミュータントと化した人類の……」

 さっきから気持ち悪いよ! この、SF好きめ!

 あの、射殺されたゴブリ…


 射殺!


「そうだよ!、射殺! 射殺だよ! なんで、銃持ってんの!」

 俺は、地団太を踏んで言った。

「もう、博人ったら、こんな時に、テンションが高いんだから、もしかして、余裕なの? ウフフ」

 母さんが笑ってくれた!

 やったぁ! 母さん、僕100点!

「何言ってんだ! 殺すぞ!」

 ……あ、いや、二人とも銃持ってるし、殺されるのは、俺か!

 平和が一番!


 博人の感情は、乱高下した。


「……そうだなぁ、もう、地球もこんな状態だし、母さん、博人に言っても良いんじゃないか?」

 俊夫が外の風景を見て言った。

 いや、絶対、地球じゃないし……

「そうね……」

 そうねって……母さん?


 ……何なの……二人とも……ちょっと、怖いんですけど?

 

 俊夫と朱美は、息子の博人に真剣な眼差しを向ける。



「博人、実はな、父さんと、母さんは、政府のエージェントなんだ」

 父さんが、漫画みたいな事を言いだした。


「はは……な、何を、言い出すんだよ……ねぇ、母さん」

 俺が母さんを見ると、……こっち、スゲー見てるし!


「エージェントってなんだよ? 母さん、パートに行ってるし、父さん鳴労物産に働きに行ってるじゃん!」

 信じられない! 大体、なんだ? エージェントって!


「エージェントの仕事は、日本に入ってきたスパイを始末する事です。 ちなみに社員全員が知ってる訳じゃないけど……会社もグルだ」

「私も、パートの傍ら、スパイを始末してるわ!」

 何を言ってるんだ、二人とも……

 異世界に来た事も不安なのに、正体不明の両親って……


 ん?


「くくく……」

「何よ、博人、ただでさえ、小さな女の子の裸の漫画ばかり読んで気持ち悪いのに、変な笑い方して」

 母さんが不安そうに言っ

 いや、それは関係ないだろ! 忘れろ!


「そんな、危険な仕事を両親そろってしてるのに、こんな小さな家に住んでる訳がない! もっと収入があるハズだから、もっと、こう……あれだ、デカい家に住んでるハズでしょ?」

 しかも、こんなクソ田舎にな! ……今は、何処かも解らない森ですけど。


「まったく、俺と朱美の間の子なのに、残念な子だな、お前は」

 うん、実の息子に残念な子って言うのは、どうかと思うぞ!

「この家、小さい普通の建売物件だと思う?」

 母さんが言ったが……

「……そうだろ?」

 母さんが、鼻で笑った。

 何なの、両親そろって息子に対する扱い!


「地上2階、地下15階! 完全自立型シェルターハウスがこの家よ! 北〇鮮の核攻撃を受けても生きのびる事が可能よ!」

 またまた……ん? 何、父さん。


 父さんが指さす方を見ると、地下への階段が……

「あるしぃぃぃ!!」


 うおおおおーー!!

 考え方を変えろ俺ぇーー!


 うん、異世界に来たんだから頼もしい両親だ!

 無理やり自分を納得させる俺!


 俺、この世界でやっていけるんだろうか……


隠し持っていた薄い本コレクションの存在をバラされて、ダメージをおった俺。

そして、両親がスパイを始末する仕事をしていた真実。

外は、異世界……

どうしよう、頭が変になりそうだ。

って事で、次回も、乞うご期待!

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― 新着の感想 ―
[一言] 薄い本の親バレは結構な人数が通ってきているはず…… 連載、頑張ってください。
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