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第六十三話 『刻の番人』と『輪廻の守護者』

そんな訳で、俺と永久(とわ)皇照宮(こうしょうきゅう)に滞在することとなった。

その間、学園に行かなくてハッピーだと思っていたら、キクリさんからみっちりマンツーマンの授業を受けることになった。

この人、侍女を始める前は先生をやっていたらしい。

どうりで月依(つくよ)先生達が先生って呼ぶわけだ。

授業の合間、こんな事を聞かれた。



「で、あなたは何でテナ様に協力してくれるのかしら」


「何でって……困ってる年下の女の子は放っておけないでしょう?」


「ふーん……そういうものなのね」



何か意味ありげなふーんなのが凄く気になるんだけど。



「どうしてそんな事を聞くんですか?」


「いえ、テナ様ってあんな性格じゃない?だからちゃんと友達が作れるのか心配だったのよ」


「……構って欲しさに復讐とか訳わかりませんね」


「そうそう。だから、あなたにはテナ様の友達になって欲しいなって思ったのよ」


「まぁ。別に良いですけど……」



俺もテナには腕を斬り飛ばされたりしたけど、もう完治したし、特に気にはしてないからな。

それに本当の姉妹なのに、このまま仲が悪いのを見続けるのも寝覚めが悪い。

俺とキクリさんがそんな話をしていると部屋の片隅でカップ麺をむさぼっていた永久(とわ)がピクリと動く。



「……どうやら来たようだな」



カップ麺を床に置き虹色に輝く天地神明刀を永久は呼び出す。



「そうか。やっとこさってとこか」



この場所を見つけるまで二週間ちょい。

随分のんびりしたもんだな刹奏(せつか)も。

俺も黒色の天地神明刀を手に永久の後に続く。


部屋を出て空を見上げると黒色の翼を纏った刹奏が宙に浮いていた。



「そこをどいてもらおうか、人間どもよ」


「嫌だ、と言ったら?」



永久はフフリと口角を吊り上げ答える。



「斬り捨てるまでだ」


「始、分かっておるな」


「ああ。時止めを常時使って戦うっ」


「よしっ。では参るぞ、始っ」



永久の言葉に合わせ、俺は神明の力を解放する。

止まった時の中、俺と永久は宙を飛び刹奏に切りつける。



「フ……『輪廻の守護者』か。面白い。風斬(かざきり)雷斬(らいきり)っ!!!」



一瞬にして現れた二刀の刀で俺達の攻撃は難なく弾かれる。



「風斬その力を示せっ!!雷斬我が呼び声に応えよっ!!」



刹奏の声と共に風圧と猛る稲妻が俺達を襲う。



「神明、我が前に力を示せっ!!!」



俺の言葉で稲妻は効力を失うが風圧まではかき消せず俺と永久は背後の扉に打ち据えられてしまう。

クソっ……。

効果を消せるのは一個までかよ。

参ったな……、これはちょっと勝てる気しないんだが。



「フ……刹奏、随分やるようになったじゃないか」



俺の焦りとは裏腹に永久は余裕の表情を見せている。



「それならこちらも奥の手を使うか。神明、我が前に力を示せっ!!!」



永久の言葉と共に、天地神明刀は虹色に輝き天が震え、地が揺れる。

こ、これって天地開闢(てんちかいびゃく)か?

そして稲妻が刹奏を襲い狂う。



「風斬、雷斬。その力を示せっ!!!」



しかし、その稲妻も刹奏には届かず、寸前でかき消えてしまう。



「フ……こんなものか『輪廻の守護者』よ」


「……まぁ今の私達の力だとこんなものだろうな」



クックックと笑みを漏らす永久。

と同時に。



刹奏の背後から一閃が走る。



「く……何奴だっ」



翼を切り裂かれ地に倒れ伏した刹奏に剣を突きつける光を纏った少女。

この国の皇女テラス様だ。



「まぁ、さすがに三対一は気が引けるが、事情が事情なのでな。お前には大人しくしてもらおうか」



そうテラス様は告げると刹奏の黒翼を斬り飛ばす。



「ぐああああああああ……」



刹奏の背から溢れる返り血を浴びて真っ赤に染まるテラス様。

おいおい……そんなにして刹奏は本当に大丈夫なのかよ。

俺は永久の方を見ると、大丈夫だろうという瞳で俺を見返してくる。

続いて地に付した刹奏の掌に永久は天地神明刀を突き立てる。

血にまみれていく刹奏の体。

……本当に大丈夫なんだろうな?



「さて、これからがお前の仕事だよ、始」



永久は刹奏の手から零れ落ちた二刀の刀を拾い上げ俺に向けて構える。



「……ああ。やってくれ」



その言葉と共に永久は俺に向けてその二刀の刀を振り下ろした。

暗闇に飲まれていく景色の中。

俺の血で刹奏の体は更に真っ赤に染まっていく。

そして俺の意識は完全に暗闇に飲まれていった。

というわけで内定2社貰って東京から帰ってきました。

気が抜けてこんな時間に更新です。

来月から東京暮らしだひゃっほーい。

関係ない話しました。

楽しんでいただけてれば幸いです。

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