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第六十一話 天の神

気が付くと俺は真っ白な空間にいた。

変だな。

俺はあの後、飯食ってぐっすり寝むってたはずなんだが。

これは夢か?



「夢なんかじゃないですよー」



暢気な声が俺の背後からかけられる。



「うをっ」



そこには刹那さんそっくりの白い羽を生やした天使が立っていた。

こいつは瞬か。



「おひさしぶりですねぇ」


「ああ、久しぶりだな。てかお前、また俺を手違いで殺したのか?」


「違いますよー。そんな事してませんってば」



……流石に違うよな。

寝てるだけで死んでるとか訳わからんし。



「じゃあ一体なんのようだってんだよ」


「それはですねー」


「儂がそなたをよんだのじゃっっ!!!!!」



その声と共に空から集中線が入ってそうな勢いで偉そうな爺さんが降りてきた。



「瞬の上司の爺さんか」


「爺さんとはなんじゃっっ!!儂は天の神であるぞっっっ!!!!」


「ならそこそこ偉いって事か?」


「うむっっ!!めっちゃ偉いぞっっ!!!」


「そうかそうか。ならあんたは刹奏(せつか)の事もわかってるんだな」


「うむっっっ!!これは由々しき事態じゃっ!!!」



……うぜー……。

このじじい、喋り方めっちゃうぜー。



「おぬし、儂の事をうざい喋り方のじじいだと思っておろうっっ!!」


「なんでわかったっ!?」


「人の心を読むことなぞ儂にとってはお茶の子さいさいじゃっっ!!!」


「さいですか……」



まぁ別に良いけどよ。

サクヤでもできる事なんだから天の神が出来ても当然か。

しかし俺の心なんて読んでも何も出てこんぞ。



「とりあえず本題を進めてくれよ」


「うむっっっ!!!刹奏がここに向かっておるっっ!!お主には早急に刹奏を斬って欲しいのじゃっ!!!」


「ちょっと待て。それは俺に刹奏を殺せとそう言ってるのか?」


「そうじゃがっっ!!」


「その答えはノーだ。俺は刹奏を救いたい」


「それは世界を破滅に導くことになるかもしれぬぞっ!!」


「なんでだよっ!!!」


「今までに『刻の番人』と『輪廻の守護者』の力を同時に所持した者はおらぬからじゃっっっ!!」



そういうもんなのか。

でもまぁなんとかなるんじゃねーの。



「そんなリスキーなことを貴様はとるというのかっっ!!」


「ああ。あいつを救う為なら何だってするぜ」



俺の力は刹奏や陽依(ひより)を救いたい為の力なんだからな。

まぁとりあえず刹奏のやつを捕まえないと話にならねえよな。



「で、肝心の刹奏のやつはどこに行ったんだ?」


「わからぬっっ!!しかしこちらには向かってきておるっっ!!」



おいおい。

そこは天の神だからしっかり把握しとこうぜ……。



「世界を滅ぼすとか言ってたんだけど、その方法に心当たりは?」


「ないっっっ!!!!」



役に立たねー……。

まじ役に立たねー……。

コイツはまじで無能神か……。

無駄に威厳だけがありやがるし。



「ともあれ、刹奏のこと、よろしく頼むぞっっっ!!」


「言われなくてもそうするわっ!!」



と言うてもなぁ……居場所も分からんのにどないせいちゅうねん。

ここで延々と待ってるっていうのも手なんだろうが。

そもそもここってどうやったらこれるもんなんだ?



「それはタカマガハラのものどもに聞くがよいっっ!!!」


「何でそこで人任せなんだよ……」


「儂、面倒なこと嫌いだしっっっ!!!」



駄目だ、この爺さん。

やっぱり完全に無能神だ。



「ということで、始さん。グッバイ、また会う日まで、とこしえにーっ!!」



瞬はそういうとファンシーなピコピコハンマーで俺の頭を殴りつけるのだった。

毎回毎回、何でそんなので殴るんだ。

地味に痛いんだぞ、それ!!!


そうして俺の意識は再び闇の中に飲まれていった。

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