オークを見つけた
沙耶と悠は立ち去っていく盗賊を見ながら、その場に立ち尽くしていた。
「人いたな。何故か逃げられたけど。」
「いましたね人。お兄ちゃんの対応が悪かったんじゃないですか。聞きたいことも聞けませんでしたし。」
盗賊が見えなくなったところを二人は見ていた。
「まぁ、いることわかったんだしいいじゃん。また、歩いていけば会えるだろ。」
「お兄ちゃんは楽観的ですね、でも、そうですねいることが分かっただけでも収穫ですね。」
そういいながら、二人はまた歩き出した。
そのまま歩いていると、複数の人の叫び声が聞こえた。
「お兄ちゃん、誰か叫んでますよ。人いますよ。」
「いやいや、どう聞いても厄介ごとのにおいしかしないぞ!まぁ、行ってみるか。」
そういうと、二人は声のするほうへ駆け出して行った。
すると、一つの馬車とそれを囲むように先見たガキとは違った生き物がいた。
「「オークがいる!」」
その生き物を見ながら、二人は叫んだ。
その馬車を取り囲むようにいたのは、元いた世界の本で出てくる様なオークがいた。
何体かは、木の棒を持ち。また、剣を持っているものまでいた。
馬車の周りには、騎士の恰好をした人たちが何人も倒れていた。
そして、馬車を守るようにして立っている騎士はオークに剣を向けていまだ応戦していた。
「オークって強いんだな。ただの屈辱専門の雑魚だと思ってたわ。女騎士いないのかな。」
「お兄ちゃん、その発想はさすがに引きますが、でも、あの人たち結構危険ですね。見てるからに、あと少しもっていいところですかね。お兄ちゃん、あの人たち助けたら話聞けるんじゃないですか?」
「そうだな、一度加勢にはいくけど、危なかったら退くからな。」
「何私も行くようなこと言っているのですか?戦いに行くのはお兄ちゃんだけですよ。私は少し離れてみているので、勝ってきてくださいよ。戦いが終わったら、私もそちらに向かいます。お兄ちゃん信じてますよ。」
沙耶はそういうと、悠の背中を押してさっさと行くように言ってきた。
「マジかよ!信じてるって言葉便利だな!くそ、行ってくるぞ!」
そういうと、悠はまだ戦っている騎士の元へ駆け出した。
「加勢します!一度下がって、態勢を整えてください。この場は、俺が引き受けますんで。」
「感謝する!だが、人で大丈夫か?これだけのオークを一人で相手するのは無理があるのではないか?」
「問題無いですよ。一度、屈辱のオークとは戦ってみたかったんですよ。」
「屈辱のオーク?まぁ、いい。言葉に甘えて、こちらは一度下がる。無理はするなよ。態勢を整えたらすぐに参戦する。全員、一度下がれ!」
騎士の一人が叫ぶと、戦っていた騎士がオークから距離をとり下がった。
悠はそれを確認すると、オークの元へと駆け出した。
悠は、オークの攻撃を目で追いながら、避けては殴りを繰り返した。
「なんだ、あれは。武器もなしに丸腰で飛び込んだと思えば、魔法も使わずただ素手で殴るって。というか、一撃で一体倒してるぞあれ。」
「嘘だろ。」
騎士たちはその光景を見ながら、ただ見ているしかできなかった。その一方的すぎる戦いが終わるのをただ見ていた。
そのころ、沙耶は悠の勝利を確信したのか、馬車のところまで歩いてきていた。
そして、すぐに戦いは終わった。さっきまでいたオークはその場に倒れて動かなかった。
そして、悠は満足そうに馬車の方向へと歩いてきた。
「お兄ちゃん、お疲れ様です。さすがですね。」
「ほめても何もで無いぞ。」
そういいながら、二人はさっき指示を出していた騎士の元へ行った。
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