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妹と召喚されました!  作者: 雄也
エルフ編
55/78

全力を出さないのですか?(1)

殺気を受けた俺は、防衛本能から3人を抱えて地を全力で蹴り、ダージャから距離を取る。


「お前らちゃんと着地しろよ!そして出口まで走れ!」


俺は、地に足が着くと同時に、反回し3人を外へ出る方向へ思いっきり投げ飛ばした。


「お兄ちゃん⁉︎」「ユウ様!」「ご主人様!」


3人の叫ぶ声が遠のき、いまの部屋を出たのを確認すると、入り口の壁を斬り、入ってこれる通路を塞いだ。


「なんだ。自ら有利な状況を捨てたのか?」


「バカ言え、元から俺たちは有利な状況に立っていなかっただろう。殺気がダダ漏れなんだよ。魔術で前もって俺たちを殺せる準備でもしていたんじゃないか?」


ダージャは、常にイヤな笑みを浮かべている。


あいつは余裕そうだが、隙がない。

おそらく、俺たちのことを少なからず危険視しているから、隙を見せようとしないのだろう。


「そうかそうか、気づいていたのか。まぁ、少し違うな。答えは、動きを封じる魔術だ」


ダージャがそう言うと、部屋全体の地面が光り出した。


地面全体が魔術式になっていた。


俺は、地を蹴り光っていない天井の壁へ移動した。


「考えが甘いな。魔術に対して無知なようだな。

魔術は魔術式に触れなければいいものではない。特にこの魔術は、空間そのものに干渉する。この部屋にいる限り、逃げるのは不可能だ」


はぁ!

空間そのもの干渉とかどういう魔術だよ!


俺は体に力を入れるが、全く動かない?

いや違う。動くが地面に着いている手と足が地面から外れないんだ!

地面に触れていない顔や肩は動く!


ダージャは空間の干渉といった…

なら、なぜ沙耶達みたいに空に魔術師を描かない。

わざわざなぜ地面に魔術式を描いた?


「黙ってていいのか?」


俺が考え事をしていると、目の前にダージャがいた。


コイツ、空飛んでやがる⁉︎


「キサラギ ユウと言ったか、俺を殺すんじゃなかったのか?なぁぁぁ!」


「グッ!」


ダージャは黒い煙を纏った拳で殴ってきた。

俺はその勢いで、弾け飛び地面に激突した。


天井から剥がれた瞬間、手足が動くことに一瞬ではあったがわかった。

そして何よりも、地面から離れたのは、ダージャに殴られたからではない。

ダージャの拳が俺に届くまでの一瞬に自由落下する感覚があった。


だいたいわかったぞ。

コイツの今発動している魔術は、この部屋の壁や地面に触れることで発動する。

いや、空間干渉とダージャが言っていた。

なら、この空間にある物理的物質に触れることでの固定化。


それだけわかれば十分だ!


もう一度、地面から離れることができれば………


いやできる!


そのために今回は、衝撃を足だけで受け止めたんだからな!


「ダージャぁぁ!」


足元の地面を切り刻み、空を蹴り、油断して空中を歩くダージャの元に瞬時に移動した!


「お前の負因は、油断したことだ!」


俺は、ダージャの胸を確かに貫き、ダージャは地上に落ちた。その後、俺も地面に着地した。

動かなくなったダージャを見下ろして…


「グハッ⁉︎」


そんな俺を何かが貫き、俺は血を吐きその場に崩れた。

読んでいただきありがとうございます!

コメント、感想も受け付けておりますのでよろしくお願いします。


誤字脱字のご報告ありがとうございます!

全て反映させて頂きました!

これからも良い作品にしていけるよ、更新していきますのでよろしくお願いします!

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