負けるわけにはいかない(4)
私がマナの方を見たときには、既にマナの背後に狂獣がいた。
「精水死域」
マナが呟くとマナを中心とし、円型に光の柱が出現した。
マナに迫っていた狂獣は、半身を光の中に入っていた。
「なにそれ…」
光が収まると、そこにはニコっと笑って立っているマナとマナが見つめている先には、光の中に入った半身が消えた狂獣の亡骸が転がっていた。
「ムフフフ〜」
なにその笑い方!
いつもと雰囲気が違ってるんですけど!
なんか怖いんですけど!
マナ怖いんですけど!
リサを見ると、リサも怯えたような表情をしていた。
「お姉ちゃんたちどうしたのです〜?」
びくッ!
リサを見ていたら、急にマナが話してきて反射的にビクついてしまった。
気づかれてないよね…
というか、なんでマナに対して怖がってるんですか!
マナに対しても失礼ですよ!
そ、そうですよ。マナはマナなんですから!
マナは可愛い子。マナは可愛い子。マナは可愛い子。
マナは可愛い子。マナは可愛い子。マナは可愛い子。
って、これじゃあ暗示みたいじゃないですか!
私は頭の中でアレコレ考えていた。
「マ、マナちゃん、さっきの魔術はなんですか?それにそんなもの見て笑っていてはいけませんよ…」
私の頭がパニクっている間にリサがマナと話した。
よく話してくれました!
でも、リサ声震えてますよ…
「リサお姉ちゃんなんだか話し方おかしいです〜。ただの水精霊の加護を受けた、水魔術なのです〜。発動条件はいろいろあるですが、私に触れるほど近くにいないといけないのと、一日一度の加護なのでそれが欠点です〜。私に加護を与えている精霊は、水精霊のマーレなのです〜」
マナの雰囲気はいつもの子供らしい雰囲気に戻って、笑顔で魔術の説明をしてくれた。
さっきのが、水精霊の加護ですか!
悪魔の間違えじゃないのですか!
あんなのわかっていなければ、防ぎようがないし、あの狂獣の半身チリすら残ってないじゃないですか!
私やお兄ちゃん以上にチートの能力な気がします!
マナは敵にまわさないほうがよさそうですね…
マナの魔術は底がしれませんし、勝算がなさすぎますね…
「なんじゃこりゃぁぁ!」
狂獣を倒した私たちの耳にお兄ちゃんの声が響いてきました。
まさか、負けたのでは…
「お兄ちゃん‼︎」
私はお兄ちゃんの声がした方を見た…
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