妖精の森へGo!
俺を睨む沙耶に、目が笑っていない笑顔のリサが俺を睨んでいる。
「それでユウ様はこれからマナをどうするんですか?奴隷として買ったのであれば、奴隷契約がされているでしょう?」
「リサ、奴隷契約とは何ですか?」
「奴隷を契約したときに、主人に危害を加えないように、絶対服従の呪いがかけられるんですよ」
「絶対服従……お兄ちゃん、そこまで落ちましたか…」
そういって、沙耶は溜息をついた。
「俺ってそこまで信用ないかな!?奴隷契約はしてないぞ」
「えっ!本当ですか!?それは、奴隷商として良いのでしょうか?」
「マナ、本当ですか?」
沙耶は俺じゃなくて、マナに聞きやがった。
俺そんなに信用ないかな~泣くぞ!
「本当なのです~ご主人様が店の人に掴みかかって、この子に負担がかかるのならできない!って、奴隷契約はしなかったのです~」
「お兄ちゃん、店の人を力づくで言い聞かせるなんて…」
「ユウ様…」
なんだ、二人とも、次は俺を哀れみを含んでみてくるんだが。
「はぁ~なら、なおさら今後どうするかが大事になりますね。明日は妖精の森に行くのです。
危険なことだって多いでしょう。そこに連れて行きますか?それとも置いていきますか?」
まぁ、2択になるよな。
ここは、人族の住む街であって、エルフがいれば大変なことになる。
マナをここに置いておくのは危険か。
「俺は連れいていきたい。マナはそれでいいか?」
「いいのです~」
軽いなおい!
「決まったのは良いですが、ご飯食べに行きませんか?もう、夜遅くなってしまってますから、開いているか心配ですが…」
リサがそういうと、俺たちは宿の1階にご飯を食いに行った。
宿はにぎわっており、いろんな人が騒ぎまくっており、飲み明かしていた。
マナは、エルフがバレないように、リサが使っているローブを使って顔を隠して行った。
マナはおいしいのです~って言って、嬉しそうに食べていた。
俺の膝の上で…
沙耶とリサからは終始冷たい目で見られていたがな!
そうして、食事を終わらせると、部屋に戻って。
俺たちは明日に向けて寝た。
もちろん、4人そろってだ。
3人用のベッドだったので、とても狭いが!
どうして、3人部屋なのにベッドが1つなのだ!
俺はそうぼやきながら、女の子3人に囲まれて寝る幸せな眠りに落ちた。
「ユウ様、起きてください」
「お兄ちゃん!マナ、行きなさい!」
「はいなのです~」
なんだか騒がしい。
「グハッ!」
すると、突如俺の腹に強い衝撃が走った。
「いいですよマナ。お兄ちゃんも喜んでるはずです!さぁ、もう一度!」
「はいなのです~」
「ちょっと待て!」
「起きたのです~」
俺は、慌てて起きると目の前にマナが迫っており、抱きついてきた。
「ご主人様、おはようなのです~」
「おはようございます、ユウ様」
「おはようございます、お兄ちゃん」
「あぁ、おはよう。って、俺はこんな起こし方で喜ばんわ!もっと、キスで起こすとかあるだろう!」
「なんですか、お兄ちゃんはキスで起こしてほしかったのですか?なら、今後それで起こしますが、私が止まれずに襲ってしまっても知りませんよ?」
「あ、はい。遠慮します」
あぁ、沙耶の目が本気だ。
やめておこう。
でも、普通に起こしてほしいものだがな!
「って、マナ俺をご主人様って呼びながら、沙耶の命令聞いてない!?」
「サヤお姉ちゃんが、こうすればご主人様が喜んでくれるって言ったのです~」
「いい子ですねマナ。これからも、お兄ちゃんのこと教えてあげますよ」
「はいなのです~」
沙耶が何を教えるか不安だぞ!
「ユウ様、起きて早々で申し訳ないのですが、ご飯を食べてすぐにでも出発しましょう。
暗くなった森を歩くのは危険なので、早めの行動をとりたいのです」
「あぁ」
そういうと、俺たちはご飯を食ってから宿を出た。
そして、俺たち4人はアルトリアの街を後にして、妖精の森へと向かった。
妖精の森までは1時間ぐらい歩いたが、魔獣とも魔物にも合わなかった。
魔力をできるだけ温存したいということで、今回は空を飛ばなかった。
そして今、妖精の森に入ってから、2時間歩いたところで、大きな木があった。
そして、そこには入り口らしき大きな穴があった。
「エルフの村なのです~聖樹なのです~」
聖樹か~
木の中にエルフ住んでんのかよ!
「この聖樹の中ですね。そこに精木があるのですね」
「入りましょうか」
そう言って、俺たちは聖樹の中に足を踏み入れた。
入った瞬間、光に包まれた。
その瞬間俺は剣を抜き、3人を庇うように前に出た。
そして、俺の横には、俺が先ほど薙ぎ払った矢が数本転がっていた。




