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妹と召喚されました!  作者: 雄也
エルフ編
38/78

どちらに抱かれたい?

あぁ、暖かいな。何かに包まれているように柔らかくて気持ちいい。


俺は、目が覚め徐々に意識を戻しながらも、温もりははっきりと感じていた。

そして、右手に柔らかく暖かなものが…


柔らくて暖かい!?


「スゥ~スゥ~」


俺の意識が完全に目覚めたとき、俺の布団の中から小さな寝息が聞こえた。


俺は、ゆっくりと布団を捲っていった。


「うぅん、なんだ、ユウ起きたのか?」


そこには、一糸纏わぬ姿のミレイヤがいた。

つまり、裸のミレイヤが俺に抱きついており、俺は右手で、ミレイヤの胸を揉んでいた。


「朝から元気だな。今日のユウは積極的だ」


ミレイヤはそういうと、俺の右手をさらに自分の胸に押し当ててきた。


「事故だ!」


「人の胸を揉んでおいて、事故とはひどいじゃないか」


「胸が無いのに柔らかいだとッ!」


「なっ!ついに言ったな!無くないぞ!ちゃんと胸あるぞ!小さいかもしれんが…ちゃんと感触あるだろう!」


ミレイヤはそういって、俺の右手を自分の胸に押さえつけてきた。


「いやいや、柔らかのは分かったから、それよりもなんで裸なんだ!」


「ユウの布団に忍び込む時に、厚くてつい脱いでしまった」


そういえば、部屋にミレイヤが着ていた服が散らかっていた。


「ついで脱ぐなよ!?」


「それよりもユウ、女の裸を見たんだ責任とってくれるよな。まさか、ここまでして、責任を取らないのか?」


「そ、それは…」


なんで、俺は朝っぱらから裸の女の子に言い寄られてるんだよ!


「ほぉ、面白い話をしていますね、お兄ちゃん?」


「ユウ様、朝から騒がしいと思ったら何をしているんですか?」


突然、扉のほうから声がした。

そこには、こちらを睨む鬼が二人、いや、沙耶とリサがいた。


「さ、沙耶、リサ…おはよう?」


「はい、おはようございますお兄ちゃん」


「おはようございます、ユウ様」


俺が挨拶すると、2人は満面の笑みで挨拶してくれた。


目が笑ってないけどな!


「で、チビ。どうして、裸なんですか?」


「ユウが積極的だったんだぞ」


「それ答えになってないぞ!?」


「お兄ちゃんは黙っていてください」


妹様はご立腹のようです…


「それで、責任とか聞こえたんですがどういうことですか?」


「女の裸を見たんだから、責任をとって、お嫁さんにしてもらう!」


「無い胸が良く言いますね」


「この兄妹同じこと言ったぞ!泣くぞ!私、泣いちゃうぞ!」


「それよりも、ミレイヤいつまでユウ様に抱きついてるんですか?」


あっ、王女様もご立腹のようです。

鬼が2人いるのを忘れていた。


「まだ、ユウの言質をとっていないぞ!ユウ?責任をとると一言言えばいいんだぞ。それで、全て収まるんだ」


ミレイヤが、俺を見てそういってくる。


「「いいから離れなさい!」」


すると、すごい勢いで、沙耶とリサがミレイヤを掴み俺から剥がした。


「お兄ちゃん、私達はチビと少しお話がありますからこれで失礼しますね」


「ミレイヤ、少しお話をしましょうね」


「やーめーろー!って、なんて力だ!離せー!」


ミレイヤは最後まで抵抗していたが、沙耶とリサは、満面の笑みでミレイヤを引きずり部屋を出て行った。


ミレイヤって、一様は騎士団長なのに、そいつを引きずっていけるとか…

いや、考えるのは止めよう。

あの2人は怒らせてはいけない。俺は心に強く刻んだ。


そして、ミレイヤが2人と話を終え部屋から出てくると、

「怖い…」と泣きそうになって、俺のところに走ってきた。

それを、見ている沙耶とリサは終始笑顔だった。


そうしながらも、朝食を終え俺と沙耶とリサの3人は、依頼に行く為に外に出ていた。


「ミレイヤ、留守の間は頼むな」


「任せておけ!ユウにサヤ、リサも気をつけて来るんだぞ!帰ってくるの待っているからな」


「「「行ってきます」」」


俺たち3人はそういうと、王都の門へと向かって行った。

俺たちが見えなくなるまで、ミレイヤは手を元気に振りまくっていた。


可愛い子供にしか見えないんだよな。


ミレイヤには、リサが白金か1枚渡していた。

お金はあっても、さびしそうにしているミレイヤが目に浮かぶけどな。


そう考えながらも、俺たちは王都の門をくぐり、外に出た。


「ここぐらいでいいでしょう」


「そうですね」


沙耶とリサは、王都を出てから少し歩くと、そういった。


「お兄ちゃん、ここからの予定ですが、半日で妖精の森の近くにある“アルトリア”という街に行きます。

そこは、王都ほどではないですが、少し大きいそうなので、早めについて、その街を堪能しましょう。

そして、明日の朝に妖精の森に入り、依頼を遂行するという流れです」


沙耶は、淡々と説明していく。

リサは何も言わないから、きっと2人で話し合っていたんだろう。


「そのアルトリアって言う街は、妖精の森からどれぐらいの距離にあるんだ?」


「歩いて、1時間程で着く距離ですよ」


「いやいやいや、ミレイヤが行っていただろう。早くても往復で2日はかかるって。片道1日はかかるじゃないか」


「それは、その森までを地上で駆け抜けた場合でしょう。時間が掛かる手段で行かなくてもいいんですよ。

そこでお兄ちゃん、私とリサ、どちらに抱かれたいですか?」


「は?」


俺は、沙耶のその言葉に頭の中で、パニックを起こした。

そんな俺を見て、沙耶とリサは笑顔で両手を広げた。

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