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妹と召喚されました!  作者: 雄也
エルフ編
30/78

先ずは腹ごしらえだ!

俺と沙耶とリサは3人で、王都の街を歩いていた。

リサは、王女なので騒ぎになりかねないと、ローブに顔を隠している。

白いローブか。ミレイヤが着ていたローブよりも綺麗だが、正体を隠す為に着るのに、逆に目立つだろこれは。

そう思いながら、街の人の反応を確認するが、まったく気づいてなさそうだな。


「先ずは、食事にしましょうか。ちょうどお昼ですし、ユウ様もお腹が減っているみたいですし」


そういうと、リサが一つの家を指差した。


「あそこにしましょう。騎士の方々が美味しいと言ってたのを聞いたことがあります。一度行ってみたかったんですよ!」


リサは機嫌よさそうに俺たちの手を引き、店に入った。


「いらっしゃいませ~」


出迎えてくれたのは、エプロンを着た少女だった。短い赤い髪に頭には犬の耳らしきものがある。そして、腰あたりから、尻尾らしきものがチラチラ見える。


「お客様、そんなに熱く見られては困ります…」


「えっ!いやいや、そんなつもりじゃ…っ!」


急にその少女が顔を赤くして両手を頬において、クネクネし始めた。

そんな少女とは裏腹に、俺の横では、俺に向けられる冷たい視線があった。

俺は、そんな視線を受けながら、背中に嫌な汗をかく。


というか、あの少女がクネクネした瞬間、俺の手を握るリサの手にものすっごい力がかかったんだが!

横を見るのが怖い!


「冗談ですよ~」


少女はそういった。


その冗談で、俺は今ものすっごい冷たい視線を浴びさせられてるんだが!


「お兄ちゃん、冗談なんですか?」


沙耶の冷たい言葉が横から聞こえた。

俺は、必死に頷いた。

もちろん、前を向いてだ。

だって、今横見れないんだから仕方ないだろ!


「お兄ちゃん、どうしてこっちを向かないんですか?」


それは、沙耶とリサが怖くて見れないんだよ!

リサの握る手は、ますます強くなってるし!


「お客様~お好きな席に座ってください~」


少女はマイペースだなおい!

この状況を作り出した元凶、あんただろう!


「お兄ちゃん、あとでじっくり話し合いましょうか」


「ユウ様、先ずは座ってからお話です」


「はい…」


俺は、沙耶とリサの冷たい視線を一身に受けながら、4人がけのテーブルに座った。


「ユウ様、どうして、熱い視線であの子を見てたんですか?」


座ったとたんこの話ですか!


「そ、それは、あんなフサフサな耳と尻尾が生えた人を見たことがなかったから」


「ユウ様は、獣人族をご存じないのですか?サヤもですか?」


リサは驚いたようにこちらを見てきた。


「私も、知りませんでしたが、街を歩いている時に、何度かそういった人をお見かけしたぐらいですね。まさか、お兄ちゃんが街にいる人が様々な方がいたのに気づいてないとは…」


なんだ、沙耶、その残念な人を見る目は!

だって仕方ないじゃないか、始めてみる街に街並みを楽しんでたんだよ!


「そうですか…と、その前に食事を頼んでしまいましょう。何にしますか?」


そういって、リサは俺たちに文字の書かれた物を見せてきた。


なんだ、これは!読めない…


「私は、これにします。」


そういって、沙耶は一つのメニューを指差した。


「えっ!沙耶読めるのか!」


「当たり前です」


「ユウ様、もしかして、文字が読めないのですか?」


なんか、街に着てから俺何も出来てなくないか…

てか、沙耶なんで読めんの!

こんな文字見たことないぞ!


「サヤは、読めるようですね」


「それは、書庫で勉強しましたから。お兄ちゃんみたいに無学で生きていけるとは思ってないのです」


妹よ、その言葉、お兄ちゃんにものすっごく突き刺さるのだが…


「大丈夫ですよ、お兄ちゃん。私がずっと一緒にいれば問題ないんですから」


沙耶はそういうと、満面の笑みでこちらを見てきた。


なんだ、そのうれしそうな表情は!


「なっ!サヤ、私がユウ様と一緒にいれば問題ないんですから。その言葉はちがいますよ」


「あはは、可笑しなこといいますね」


「サヤこそ、あはは」


今度は、二人が睨み合ってるんだが!


「お客様~ご注文決まりましたか?」


すると、横から先の少女が出てきた。


おぉ~さすがマイペース少女。雰囲気とかもう関係なしに来るな!


「私はこれを」


「私はこちらをお願いします」


「じゃあ、俺はオススメで」


「かしこまりました~」


はぁ、オススメで通ってくれてよかった。

でも、文字は勉強しないといけないな。


そうしながら、俺たちは賑やかな食事の時間を過ごしていった。


「銅貨20枚です~」


「白金貨1枚でお願いします」


リサはそういうと、袋から白金貨を一枚取り出し、少女に渡した。


「白金貨!?少し待ってくださいね~」


そういうと、少女は走っていった。

そして、すぐに戻ってきた。そして、こちらに袋を一つ渡してきた。


「金貨99枚と銀貨99枚、銅貨80枚入っています」


「ありがとうございます」


リサは、その袋を受け取った。


なるほど、

白金貨1枚=金貨100枚=銀貨10000枚=銅貨1000000枚

で、3人分の食事で銅貨30枚ほどの価値か。


ちょっと待て、フォート国王から貰った白金貨って、10枚だろ。

結構な額貰ってんじゃないのか?

まぁ、あって損はないか。


そう思いながら、店の外を俺たちは出た。


「ユウ様、食事中におっしゃってました冒険者の話なのですが、今から登録に行きましょう」


俺たちは、食事中に今後の話をしていた。

そのときに、冒険者の話があがり、俺たち3人は冒険者に登録しようと話していた。


「いいのか、リサは別に登録しなくてもいいんだぞ?王女がそんなことする必要もないだろうし…」


「ユウ様、言いましたよね。私もユウ様やサヤと一緒にいたいんです。私だけ除け者なんて嫌です」


「お兄ちゃん、それ以上言うのはダメですよ。リサが決めたんです。心配なのは分かりますが、私達と一緒にいるんですから問題ないでしょう」


「サヤ…」


なんだ、沙耶に裏がある気しかしないのはなぜだ!

お兄ちゃんは信じてるぞ。沙耶がリサの事を思って言ってることを!


「冒険者になったら、リサに実力の差を教えてあげますよ。お兄ちゃんには私がふさわしいってことを」


聞こえましたよ、沙耶さん!

俺が信じると言った、1秒後ぐらいに裏切られましたよ!

お兄ちゃんびっくりですよ!


リサは聞こえてないのか、機嫌よさそうに歩いていた。

そして、リサの後について、冒険者登録に向かうのだった。

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