王都に到着して直ぐに王城
馬車の中でリサに色々教わっているうちに、大きな外壁が目に入ってきた。
「見えてきましたね。あの外壁に囲まれているのがミラージュ王国の主となる王都です。魔獣や外敵から守るために外壁で囲まれています。王都に入る際は、東西南北それぞれに門があり、そこにいる騎士に身分証を見せることで、入門できます。今回は、私が同行者ですので、すぐに入れると思いますよ。
では、これからのお話なのですが、一度私と一緒に王城に同行願いますか?」
そうだな、ここまで連れてきてもらったし、王城に同行するのは俺的には問題ないが、沙耶はどうなんだろうか?
そう思い、沙耶をチラっとみると、沙耶はこちらの視線に気づき、1回頷いた。
「おう、いいぞ。喜んでついて行こう。王城がどんなのか見てみたいしな。」
そういうと、リサは満面の笑みを浮かべていた。
そこから王城まではすぐに通された。王女が乗っていることもあってか、外の景色を見ることはできなかったが、賑やかな声が馬車の中まで聞こえてきた。
そして、馬車が止まると、扉がノックされた。
「リサ様、失礼いたします。」
ゆっくりと扉が開かれると、目の前にはメイド服を着た30歳くらいの人がいた。そして、外には騎士達が並んでいた。
「国王様が玉座の間にてお待ちされております。」
「ご苦労様です。」
メイドと一言話すと、メイドはすぐに馬車から離れて行った。
「では、ユウ様、サヤ、一緒に来てください。」
そういうとリサは馬車から降りた。俺と沙耶もそのあとを追うように降りると、目の前にはでっかい城がそびえたっていた。
初めて見るな。これが城か。迫力がある。
と、リサが先に歩行ってしまってるので速足で、リサの後を追い城の中に入った。
そして今、玉座の間という駄々広い部屋に多くの騎士が部屋の左右にいた。目の前にはでっかい椅子があり、そこにはガタイの良い50代はいくだろう、豪華な服装に身を包み、無駄に威圧を放つおっさんが座っていた。そして、その左隣に中年太りした40代ぐらいのおっさんがいた。そのおっさんは、何故かリサを睨んでいた。
あのおっさん感じ悪いな。
そう思いながら、俺と沙耶、リサの3人は部屋の中央に立っていた。
「お父様、リント村のご報告ですが…」
「報告は後でよい。それよりも、リサ、横にいるもの達は?」
「キサラギ ユウ様とその妹のサヤ様です。魔獣に襲われた際に救っていただき、ここまで護衛として付いてきていただきました。」
「うむ、ユウとサヤか。ご苦労であった。そなたらには、褒美を与える。リサと一緒に後で私のもとまで来るがよい。リサもご苦労であったな。」
そういうと、おっさんは直ぐに立ち王座の間から出て行った。
いやいや、早すぎだろ!なにこれ、校長先生もビックリの速さだよ!
「ユウ様、サヤ付いてきてください。客間に行きます。」
リサはそれが普通なのか、すぐに王座の間を出て行った。




