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冒険の始まり 001

 天は昏い。神がその慈悲を後悔したように。神は、何を考えているのだろう。天からの贈り物なのか。

空は雲がかかって、湖は濁っている、大地は冷たい。 

壊れ果て今にも崩れ落ちそうな建物、草木が建物に巻き付きながら生えている。

 時にその昏い天に向かい、さらに漆黒の雲海から青白い稲光が駆け上がる。常軌を逸した光景の中を、視界は疾走してゆく。

 狂気が作り上げたような柱の列と数々の回廊、階段、尖塔、神殿。その羅列の果てしないつながり。


 剣を振れば、炎が出たり、魔法も使えるような世界。何かに似てるような世界感だ。


 ◆


少し時間を遡る、僕、スバルはいつものように、ネットを通じて友達とゲームをしていた。

「アプデもあるし、今日はここら辺でおわりにしよう。直之」

「そうだな。んじゃ、また、明日」

そこで、今日のゲームは、解散しました。次の日の朝

「ふぁーあ」

目が覚め、アプデも終わり、ゲームをしようとしたら、

「ここは、どこだ」



どこかで、見たことがあるような世界。スバルは、そこで、周りを見渡した。ここからは町が見える。

ここは、「FWO」の世界感に似ている。ここは、いくつか、日本が分けられている中の、いつも見てきた、渋谷の街だ。周りには、壊れたビルや草木が生えている。スバルは確信した、



 「ここは、FWOの世界」だとメニューを開くと、(ログアウト)ボタンがある。押してみても、反応はない。フレンドの中には、

「直之」の名前があった。光っている人と光っていない人の名前がある。連絡してみる。



 「ぴぴっ、誰だ。今大変なんだ」  

 「俺だよ。スバル」

「スバルか、やっぱお前もいたんだな」

「どこにいるんだ」

「多分渋谷ぽいとこ」

「今から会えないか、場所は渋谷の中心の、世界樹の木の下で」

「わかった」



 そもそも、自分は自宅でいすに座り、パソコンと向き合いながらゲームをしていたはずなのに築いたときにはここにいた。「FWΟ」は、10年もの歴史があり日本だけでなく、世界各国で、人気の作品になっている。ゲームの描写は何度ものアップデートでバージョンアップし今の人気が保たれている。

 


 今日は、記念すべき100回目のアップデートで、10回目拡張パックの配信日だった。ここにいる全員がダウンロードしていることになる。データは今日を境に解禁されたものがある。新アイテム、新モンスターから新レイドボスなど、なんといってもレベル上限の解放があり、多くのプレイヤーがゲームの世界に接続している。



 スバルは、昔からプレイしているベテランプレイヤーだった。

 今年で、丁度二十歳になる。直之も同じだ。直之小学生からの同級生で、このゲーム(FWΟ)には、配信当時からやっている。

 だれもが待ち望んでいた拡張パックだ。わくわくしない訳がなかった。最近プレイしていなかった、ベテランプレイヤーや、新人プレイヤーもこのアップデートで始めた人が多い。

 

「おいっ、なんだよ。ここ・・・・っ!」

「俺ゲームしてたはずじゃなかったのかよ」

町に出ると、状況が理解できていない人々が多い。本当にここはゲームの世界なのか?周りのはなしを書いているわからなくなってくる。でも、似ているのは間違いがない。



スバルは考えずに歩き出した。考えていたら、周りの人たちと同じようにパニックになってしまい動けなくなってしまう。今は、とりあえず直之のところへ行こう。レベルは1だ。持ち物も水以外はない。

 



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