第7話 なつやすみ3
<ガールズサイド>
わたしは今、父親の実家に来ている。お盆恒例の行事だ。
お墓参り、親戚への挨拶、からあげや卵焼きをいとこたちと食べるなどなど。当たり前のお盆を過ごしていた。
先輩もお盆は里帰りしているらしい。ふとそんな雑談を思い出した。迷惑になるから、メッセージ送れないな。すこしだけ複雑な気持ちが生まれた。離れていても、ふとした瞬間に彼とその出来事をつなげてしまう。我ながら重症だ。
明日で、また家に帰らなくてはいけない。いつもなら、少しだけさびしく感じていた……。
でも、今は少しだけ嬉しい。だって、帰ればもうすぐ、彼に会えるのだから。
<ボーイズサイド>
来年のいまごろは、受験勉強漬けかなと憂鬱な気持ちになっていたお盆最終日。少しはやく、親の実家から帰ってきたおれは、ゴロゴロしていた。とくに、することもなく、ごろごろとソファーで寝ていたおれは、携帯をみつめる。
メッセージは来ていない。
「いつもなら、あんなにたくさん来るのにな」
少し恨み節を吐いてしまった。
さいきん、部活の後輩の女子からよく遊びに誘われる。振り回されているようにみえるかもしれない。
でも、それは、もてあそばれているとは違うと思う。いや、違うのだと信じたい。
はじまりは、いつだったのだろうか。部活への勧誘はおれがした。人数も少ない、たいした実績もない部活だが、先輩たちへの義理もある。
少し頑張って、後を継いでくれるひとを探して、声をかけまくったのだ。
あいつに、そんなこといったら、「ナンパ野郎すぎますね、先輩」とかいわれてしまうだろう。
「フフ」
変な声を漏らしてしまう。
たまたま、帰り道が同じになったとき。
「駅までいっしょに帰りませんか」と突然、誘われた。
正直、女の子と一緒に帰ったことなどほとんどなかった。そんな自分が、気楽に「いいよ」と答えたことに自分でも驚いた。
いつもあいつには、からかわれてばかりだ。
からかわれてばかりだと、少し心配になる。この気持ちは、おれが勝手に思っている一方通行なだけじゃないのかと。もうなにもわからない。
お盆休みも終わる。明日は、部活だ。
「また、会えるんだな」
あいつのことを考えると、変な事ばかりつぶやいてしまう。もうダメだ。




