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第6話 なつやすみ2
「先輩はなににしますか」
夏休み中は週に1回となってしまう部活動。その部活動の終わりが、わたしにとっては至福の時間だ。先輩と寄り道して、おやつをたべるこの時間が。
「今日はかき氷にするわ、ブルーハワイ」
「また、かき氷?いつもそれですよね」
「安いし、はずれがないからな」
「ほんと、安定志向ですね」
「将来の夢は公務員です」
「うわ~ゆめがない」
「へいへい」
わたしは、チーズケーキとジュースにした。
レアチーズケーキ。疲れには甘さだ。
先輩はかき氷をもくもくと食べている。そんなに食べて、頭が痛くならないのだろうか?
「うん?どうした?」
みつめすぎていたようだ。
「舌が真っ青ですよ」
つい、冗談をいってしまう。
「先輩を馬鹿にしすぎだぞ。おまえ」
先輩がにやつきながら、そういった。
「ほんと子供っぽいですよね、先輩」
「たく」
「そんなところがかわいいですよ」
「おまえな~」
「大好きですよ~ほんと」
冗談っぽくいってしまう。
「ハイハイ、冗談乙」
「冗談っぽくじゃないと、こんなこといえないじゃないですか」
先輩には聞こえないように、こうつぶやいた。