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第4話 なにげない教室風景
「ねぇ、あれから先輩とはどんな感じなの?」
友達が気楽に聞いてくる。こっちの気もしらないで
「とくになにも。夏祭りに一緒にいったり、放課後寄り道するくらい 」
「きゃーいいね、いいね。青春」
友達たちが盛り上がる。
「もうコクっちゃいなよ」
これだから部外者は
「まだ、さきだよー」
わたしは適当に切り上げようとするも
「もーそればっかり」
まだまだ、標的となってしまうわたし。
「先輩のどこが好きなの?」
みんな矢継ぎ早に質問してくる。難しい質問だ。
「何となくなんだよね」
「なんとなく?」
「うん、何となく。話していて、なんとなく楽しいし、一緒にいてもなんとなくドキッとする感じ」
「ふーん。変なの~」
予鈴がなる。みんな、席に戻っていく。
「でも、このなんとなくの積み重ねが、私にとっては宝物なんだよ」
心の中でわたしはそうつぶやいた。