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第15話 決心

<ボーイズサイド>

「ねーねーこの前後輩の女の子といっしょに文化祭まわってたでしょ?」


 3時間目の数学が終わった後、同級生の女子がおれをからかってきた。クラスのみんながこちらに注目する。ひじょうに恥ずかしい。


「ああ、部活の後輩なんだ。たまに遊んでる」


みんながニヤニヤしている。


「すごく仲が良さそうだったよね。付き合ってんの?」

「付き合ってねーよ、まだ」

「まだ?」<おー>


みんながざわつき始めた。おれは恥ずかしくなって逃げだした。


「あっ逃げた」

みんなの声が廊下まで響き渡っている。


 ※


<ガールズサイド>


最近、先輩とは2日に1回電話するのが恒例となっている。


20分くらいの短いおしゃべり。

「先輩、帰りに明日デザートおごってくださいよ」

「無理」

「えーケチ」

「このまえ、アイスおごったばかりだろ」

「足りないんですよ~」

「まったく、太るぞ」

「えーひどいな~。しょうがないな、なら明日勉強おしえてください。それで我慢します」

「へいへい」

「わーい、先輩大好きです」

「……ばーか」

ツーツー。電話を切られてしまった。

でも、罵倒の言葉がどうしてあんなに幸せそうなんだろうな、先輩。

もう言葉にしなくてもふたりが同じ気持ちをもっているという安心感。最高に幸せだった。


そして、覚悟を決めた瞬間だった。少しだけ勇気をだせば、この幸せを超える幸せがそこにはあるはずなのだから。

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