学園
目の前に広がる___まるで大昔の神殿のような建物、ここが聖宝学園だ。聞いた話によるとそれはあくまで外見だけの話であり、中は最新技術満載の大昔とはまるで正反対の場所となっているらしい。建設者の趣味だとか言っていたがそれはどうでもろう。
「しかし、凄いなこれは....」
思わずそう呟いてしまうほどの外観に呆気に取られながら俺は足を進めた。恐らく正面にあるこの大扉がこの学園の入り口なのだろう。そう目星をつけた俺は扉開けた。すると、目の前にこの学園の学園長がいた。
「燿子おばさん....」
「秋斗くん!ここでは学園長と呼びなさい」
「ごめっ....すいません」
「ふふっ相変わらずね」
目の前にいる恐らく美人にカテゴリされるであろう女性、彼女は俺の母の双子の姉だ。名前は鈴浦燿子と言い、俺は幼い頃から燿子おばさんと呼んでいた。前の学園で問題を起こした俺をこの学園に転入させてくれたのもこの人のおかげだ。
「電車の件は耳に挟んであるわ。でも一言連絡ぐらいくれても良かったんじゃないの?」
そう学園長は尋ねてきたが、生憎俺はいわゆる連絡手段と言うものを持っていない。その事を学園長に伝えると軽い溜息を吐き、授業は始まってるから急いで付いてきて教室へ案内するわと言ったので言われるがままに付いていった。
「ここよ、先生に話はとうしてあるから自己紹介だけはしっかりお願いね。私は野暮用があるから一緒には入れないけど頑張ってクラスに馴染むのよ」
そう言い残し学園長は去っていった。学園長という立場場いろいろとやることが多いのだろう。そう考えながら俺は目の前の扉をノックし教室に入った。当然ながら授業中にしかも見知らぬ男が入ってきたのだ。教室にいる全員が俺を凝視した。
「いや、あの、今日から転入する....」
「君が秋斗くんだね?学園長から話は聞いているよ」
恐らくこのクラスの担任であろう人物が声を掛けて来たので俺はあやふやな返事をしながら自己紹介の旨を伝え、先生に許可をもらい自己紹介を始めた。
「えっと....訳あってこの学園に転入することになりました。月光秋斗です。慣れないことも多々ありますがどうぞよろしくお願いします」
無難な挨拶を終え、教室にいる皆の動向を伺う。すると、何人かの男子生徒がよろしくな!など声をあげているのを見て自分が表面上は歓迎されていることを受け安心した。
「そうだなぁ、秋斗くんは1番後ろの香織ちゃんの隣の席に座ってくれるかな?」
香織ちゃん?そう思い俺は1番後ろで1人孤立している少女を目視する。
「あっ....あの時店にいた....」
あの少女だった....それと同時に俺は違和感を覚えた。あの時、俺が会計を済まし学園に向かおうと思った矢先に店に入ってきたのだ。なぜ、俺より先に学園に着いている。遅刻もしていない。ありえないことばかりだった。しかし、今はそのことを気にしない方がいいだろう。俺はすぐさまその少女の隣の席に座り、軽く会釈をした。
「止めてくれるかしら、私と目を合わせるの」
俺は何を言われたのか理解できなかった。
「えっと....どういうこ___」
「話しかけるのも止めてくれるかしら」
が、俺はすぐさま理解した。これは避けられるてるな、と。それ同時に教室で孤立してる理由も....
流石に初対面でこの態度じゃそうなるよな。厳密には俺は初対面ではないんだけど。
俺は特に反抗することもなく黙って前を向く。
途端、俺は幼少期に起きた出来事が頭に浮かんだ。俺には中の良い、いわゆる幼馴染みたいな存在の女の子がいた。その子とは毎日のように遊び、話し、過ごした。だが突然とその子は僕の前から消え去り、それ以来一度も会うことは叶わない。なぜ今それを思い出したのかは分からないが、会えることならもう一度会いたいと今でも思っている_____
しばらくすると教室中に声が響いた。
「それじゃ、全員揃ったことだし大会の話を始めるよ」
えっ?大会???
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ちなみにミノリスタ特有の能力やらなんやらは後々物語中でしっかり説明していきます。