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花の中の花  作者: ほた
第2章 金剛石と黒瑪瑙
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02-01 魔族と魔族

 フルーの朝は早い。目が覚めるのは、いつも朝の六時少し前。自然と同じような時刻に目が覚める。

 窓の外から聞こえる鳥の鳴き声と、目覚めた街の人々が出す活気ある生活音が目覚まし時計変わりだ。

 フルーは目をこすりながらベッドから体を起こす。両手の平を天井の方に持ち上げ、寝ている間に凝り固まった体の筋を伸ばす。左右に軽く頭を振ってみるが、幸いにも昨日の酒は抜けており、二日酔いにもなっていなかった。

 その事に少し安堵する。

「よっと、今日は何をしようかな」

 掛け声と共にフルーは、ベッドから立ち上がると、部屋の窓のカーテンを開け放つ。日の光が心地よく差し込んでくる。

――よし、いい天気だ。

 一日の始まりは、まず天気の確認だ。天気によってその日のプランが変わる。晴れの日は洗濯に買い物と大忙し、雨の日は室内の仕事を片づける。

――まずは洗濯だな。

 フルーは、裸足のまま部屋に備えつけられているクローゼットへとひょこひょこと歩く。

 フルーはクローゼットの戸を開ける。このクローゼットはかなりの大容量仕様なのだが、中に収納されているものは、ハンガーに掛けられた数枚の服と、リネン類や下着のような細かい物が収納された引き出しが一振りだけという寂しいものだった。これらの品は、フルーの持ち物全てだ。この半年の間、その時々の気候に合わせて買い揃えた服だ。フルーは、この少ない選択肢からその日着る服を選ぶ。その中に何故か、女性物の服が一着混ざっている。それはダニエルから『記念に持っていたら』と渡された、酒場で着ていた水色のジャンバースカートだった。

――何が記念なんだろう。

 昨日帰ってから一応ハンガーにかけておいたが、今後絶対用のない品である。フルーはスカートのハンガーをクローゼットの奥に押しやる。そして寝間着を脱いで、適当に選んだ服を着こむと、自分の部屋を後にする。

 フルーとクロードの個室は二階にあるが、洗面設備は一階にしかない。手早く洗面を済ませてから各部屋のカーテンを開けにかかる。そしてキッチンの水道からヤカンに水を汲み、コンロに火を起こして湯を沸かす準備をする。

 お湯が沸くまでの間、フルーはダイニングテーブルの上に置いてある花瓶の水を新しいものに変える。活けてある花は、昨日フルーが貰ったダリヤの花束だ。最初は自分の部屋に飾ろうかと思った。でも日中見えないのは残念なので、ダイニングに飾った。どうやら正解だったようだ。ここなら日に何度も通るので目につく。その度に温かい気分になれるはずだ。ダリヤの赤とピンクの花びらが、窓から差し込む朝の陽ざしに透けて、水滴が美しく輝いている。

 そうこうするうちに、クロードが起きてきた。

「クロード、おはよう」

「ああ、おはよう」

 身なりを整え済みのクロードが、玄関の郵便受けから新聞を取って戻ると、コンロにかけたヤカンが丁度沸騰を知らせてカタカタ言い出す。クロードはその湯を使って、ダイニングでコーヒーを入れるのが日課だ。朝ごはんは当番制で、フルーが作る日とクロードが作る日がある。今日は久しぶりなので、フルーが作ることにした。

 本日のメニュー、ベーコンと目玉焼きらしきモノと、両面を焼いただけのバタートースト、そしてコーヒー。以上!

「……また独創的な形状だな。これが今の流行か?」

 クロードから嫌みが少々混ざった感想が下される。

 そうフルーが作った目玉焼きは、当初片焼きのはずだったのだが、両目焼きになった。最近は少なくなったが、メニューを目玉焼きからスクランブルエッグに予定変更しなくてはならない事態も起こる。今日は白身と黄身が別れているので、目玉焼きとしては上出来、……なはずだ。

「はいはい、自分でも斬新な作品だと思っているんだから、そんな改めて言わないでください!」

 こればっかりは練習あるのみだろうか? 練習で上手くなると信じたい。

「さて、朝ご飯を食べたら、今日は洗濯を先にして、それから掃除と」

 フルーは、ダイニングの自分の席に腰を下ろしながら、本日の予定を声に出して列挙する。

「それなら、やっておいたぞ」

「はいっ?」

 フルーは久しぶりに家に帰ったので、溜まっているであろう家事を全部片づけてやるつもりでいた。しかしその計画は、クロードのその一言で頓挫した。

「それはどういうことだよ」

「洗濯物なら昨日のうちに洗っといてやったぞ、掃除も昨日一通りやっておいたから、今日はいいだろう」

「はいっ?」

 フルーは慌てて席を立ち、部屋の中を巡回した。主だった部屋は整然としていて掃除が行き渡り、庭の物干し場には、フルーが診療所から持ち帰った洗濯物が綺麗に干され、風にはためいてていた。

 フルーはダイニングに戻ってくると、再び席についた。

「気が済んだか?」

「……もう、仕事取らないでよ」

 とんだ肩すかしだ。クロードは一人暮らしが長い事もあり、驚くほど家事スキルが高い。フルーの仕事はハウスキーパーが主ではないにしても、この家での立ち位置というか、存在意義が不安定になる気分だ。

「家事よりやってもらいたい仕事がある」

「わかったよ」

 この家の構造は、一階西側にダイニングとキッチンがあり、玄関と階段を挟んで反対側にリビングがある。リビングに隣接してクロードの仕事部屋がある。仕事部屋は廊下とリビングの両方から入る事が出来る。

 廊下の出入り口は、専ら来客用だ。クロードとフルーはリビング側の扉を使う事が多い。それには理由があった。

 フルーは久しぶりに仕事部屋の扉を開けた。

 開けると紙とインクの独特の匂いが襲い掛かってくる。たまに訪れる役所も同じような匂いがするが、ここは部屋の広さが狭い分、匂いが凝縮されている。

 部屋の間取りは、廊下側の一角に打ち合わせのスペースとして、テーブルと椅子が向かい合わせに並んでいる。その背後には、部屋を仕切る衝立が置かれている。その奥が作業スペースなのだが、人がゆったりくつろげるような場所ではないことだけは先に断っておく。

 窓辺側に机が向かい合わせに置かれている。窓以外の壁面は本棚が立てられ、資料の本や書類がぎっしり詰まっている。作業台用のテーブルがあるのだが、その場所が空いていることはほとんどない。大概資料の山に占領されている。そのテーブルにも置ききれなくなった物は、床の上に積まれてゆくのだが、これが進路妨害になっており、自分達の机に辿り着くのは容易ではない。廊下側の出入り口より、リビング側の方が若干机に近いので、そちら側の出入り口を利用するのは、そういう訳だ。

――相変わらず、圧迫感のある部屋だ。

 フルーはようやく自分の机に辿り着いた。机の表面には、薄ら埃が積もっている。潜入捜査と入院期間を入れると、一カ月近く留守をしていたので仕方がない。

――ここは掃除してないんだ。

「これを頼むな」

 クロードが作業テーブルにあった資料の一山を、フルーの机の上に置いた。机の上の埃が舞う。

 フルーは、埃を吸い込まないよう右手で口元を抑える。

「……一応聞いてみるけど、これをどうしろと?」

「昼過ぎまでに、報告書の資料作成と整理な、あと今月の経費の精算もあるから」

「それを昼過ぎ……」

 また素晴らしい締切を指定された。

 フルーは目の前に積まれた書類を、そっと空いている左手でつまんでみた。いったいどれだけ溜め込んだのだろうか?

「それが終わったら、出かけるからな」

「了解しました」

 クロードではないが、フルーは自分の眉間に皺が寄っているのを自覚する。しかし書類を睨みつけても減るわけでもない。

「もう! やってやろうじゃないか!」

 フルーはそう自分に気合いを入れると、書類の束を両手でざっくり掴んだ。

――とりあえず、机の上を拭いてからにしよう。

 

    * * * *

 

「手が……まだがくがくする」

 フルーは、約一か月ぶりのデスクワークを数時間でやっつけた。いったい何枚の書類にペンを入れたのだろう。今日下ろしたばかりの万年筆は、素晴らしく良い書き味で、思う存分活躍をしてくれた。しかし、フルーの手の方は、久しぶりの書類作りに、少々悲鳴を上げていた。フルーは、利き腕の右手を左手で擦る。

「もう……何も馬鹿丁寧に書類を溜めておかなくてもいいと思うけどな。掃除と洗濯より、あっち片づけろよな」

「何か文句あるならいつでも受け付けるぞ」

 数メートル先を歩いていたクロードが振り返る。

「べ、別に結構です」

――やっぱり魔族は地獄耳なのだろうか、悪口は聞き逃さないらしい。

 字を書くのは嫌いではない、しかし指先に神経を集中していると、短時間でも手や肩が痛くなる。

 フルーは、どちらかと言えば、体を動かす仕事の方が好きだった。しかし、それをクロードに言えば、『お前は単純だからな』と茶化されるので、口には出さない。最近あの変わり者の魔族の言動が多少分かってきた。普段は口も悪く態度も横柄なのだが、本当は親切で優しいのだ。全くもって分かりにくい性格だ。

 フルーは、朝のクロードの言葉通り、外出に付き合う事になった。目的地は、街の中央の繁華街のようだ。フルーはクロードの後をついていく。

「この店に入るぞ」

「はーい」

 クロードが指示した店先には、『テーラー』という看板が掛けられていた。

――テーラーって事は、服をオーダーで作るところだよね?

 フルーにはどこまでも縁遠い場所だ。フルーの服はほとんど古着屋で購入するか、クロードのお古を貰っている。こんな事がなければ入ることもないだろう。

 クロードが扉を開けると、扉に着いた小さな鐘がカランカランと鳴り響いた。

 フルーもクロードの後ろに続き、店舗の中に足を踏み入れる。

「……お邪魔します」

 今日はクロードのお供で客の立場なのだが、余所のお宅にお邪魔するような緊張感がある。

 フルーは店内を見回した。

 店の棚には数多くの布が収納されている。壁際には、何体ものマネキン人形が並び、制作途中であろう、服や型紙が吊るされていた。そして一番目立つのは、店の中央に置かれた作業台だ。

「うわあ、凄い」

 フルーはクロードから離れ、店内を見て回る。作業台の上には、鋏、ものさしなどが置かれている。どの道具もピカピカに磨きあげられていて、整理整頓されている。作成途中なのか、作業台に置かれた布には、待ち針が打たれている。それはまるで夜空の星座のように、そこに打たれるのが当たり前かのように存在する。一つの宇宙

をみているような、美しい作業台だ。

 フルーは、別世界に来たような気分だった。

「お待たせしております」

 フルーが室内を物珍しそうに見ていると、店の奥から一人の男性が姿を現した。歳はドクターと同い年くらいだろうか。その男性は、あまり街中ではお目にかかれない上等なスーツを着ており、首には白い紐状のメジャーをかけている。この店同様、洗練され落ち着いた雰囲気を持つ男性だった。彼がこの店の店主だろうか。

「これはローレン様、お待ちしておりました」

 男性はクロードに気が付くと、ピシッと背筋を正して挨拶をする。どうやらクロードとは顔見知りのようだ。

「やあクレマン、今日は先日話した件をお願いしに来たよ」

「いつもご贔屓にしていただきありがとうございますローレン様。そちらのお連れ様ですね」

「ああ、そうだ。……フルー遊んでないでこっちに来い」

「あ、はい……」

 フルーはクロードに呼ばれ、クロードの横に立つ。

「あの、はじめまして、クロードの助手をしています。フルールといいます。よろしくお願いします」

 フルーは、男性に挨拶をした。

「フルール様ですね。私はこちらのテーラーの主でクレマンです。どうぞお見知りおきください」

 クレマンは自分の手を胸元に添えると、フルーに恭しくお辞儀をした。

「はいっ!」

 フルーはこんな丁寧な挨拶をしてもらったのは初めてだった。いやでも気分が高揚する。自分も何か買い物をしたくなりそうだ。しかし、この店でフルーが買えそうな物などあるのだろろか。クレマンは頭を上げると、フルーにゆっくり微笑んだ。

「ではフルール様、今日は貴方のスーツを仕立てさせていだだきますが、何かご希望はございますか?」

「……えっ? 僕のスーツですか?」

「はい、ローレン様からそう伺っております」

 クレマンは、はっきりとそう言った。フルーは、クレマンが言っていることがよく分からなかった。何故自分のスーツなのだろう。フルーは隣にいるクロードの方を見た。

「昨日、期待していいと言っただろ」

 クロードはしれっとした顔でフルーにそう告げた。

『昨日』とはパーティーの席のことだろうか。確かに昨日クロードは、フルーやみんなの前でそういう趣旨の発言をしていた。確か用意出来なかったから明日辺りと……

――まさか……

「ク、クロード、冗談……だよね?」

「冗談で連れてくるわけがないだろう」

 フルーは、今までどこか途切れていた思考回路が唐突に繋がるように、頭の中に衝撃が走った。

 花束、万年筆に続いて、最後はスーツですか!

 これはフルーの想像を遥かに超えていた。

「僕なんかにスーツなんて、勿体ないよ、宝の持ち腐れさ」

 フルーはクロードの考えを変えさせようと、懸命に訴える。しかしクロードはフルーの言葉など聞く耳を持たないとばかり、フルーから視線を外す。

「聞いているのか!」

「フルー、自覚してないようだから言っておくが、これに関してはお前に拒否権はない」

「何でだよ」

「いいか、これからお前は補佐役として、俺について他国との外交の席に出席するようになる」

「ええっ! 外交?」

「最近はないが、隣国やその先まで出向くことも、反対にアルデゥイナ内で会談の席が設けられることもある。普段は何でも屋みたいな事をやらされているが、これでも特務官は官職なんだからな。その補佐となれば、俺の代理として権利を行使する機会もある」

 フルーは眩暈を感じた。昨日将来を考えているとクロードは話してくれた。まさかその将来の道がこんな感じになるとは、昨日ベッドの中に入った時は想像もしていなかった。

「そ、そんな……」

――権利を行使? 自分にそんな大それた事が出来るのだろうか。

 フルーは、驚きすぎて開いた口が塞がらなかった。スーツに驚くべきか、それともこれから自分が就く職務に驚くべきなのか、もはや分からない。

「諸々の苦情も受け付けない。否が応でも最低限のドレスコードはクリアしてもらう」

 クロードはフルーにピシャリと言い切り、食ってかかってくるフルーの肩を掴むと、体の向きを変えさせ、その背中を押した。フルーは、クレマンの眼前に押し出される形となった。

 クレマンはというと、一連のフルーとクロードのやり取りを、笑いをこらえて見ているではないか。フルーは照れ隠しに笑ってみせる。

「あははは……どうも……」

「フルール様お任せください。とびっきりカッコいいスーツを仕立てますから、安心してお仕事に打ち込んでください」

「クレマンさん、どうぞよろしくお願いします」

 クレマンにぺこりと頭を下げた。そうする事で諸々の事に観念した。

「はい、お任せください」

 クレマンは、優しげな笑顔と共にフルーの肩に手を置くと、店の奥へ案内してくれる。

「まずは、採寸からです」

「クレマン悪いが、今回は急ぐからフルオーダーではなく、セミオーダーで揃えてもらえるか」

 クロードが、クレマンを呼び止める。

「分かりました、しかし急ぎましても仕上がりには二週間ほどお時間をいただきますが、大丈夫ですか?」

「ああ、それくらいなら大丈夫だ。急かせてしまって申し訳ないな」

「いえいえ、ローレン様の頼みなら、お安い御用ですよ。そうですね、これからの時期に着用となると生地は冬用の物にいたしますよね?」

「そうだな。……あとひと月もすれば寒くなってくるから。そうなるとコートもいるな」

「分かりました」

 スーツは、糸、生地、芯にする生地によって値段が違う事を教えてくれた。フルーの場合、これから仕事着として着るので、動きやすく、さらに耐久性があり、皺になりにくい素材を選ぶ事にした。

「そうしますと、こちらの棚にある布地がお勧めです」

 クレマンはそういうと、フルーを棚の前に誘った。

「どれがいいんだ?」

 クロードも、フルーと共に布を見る。棚に並ぶ布地に手を置き、布の厚みや手触りを確かめている。

「……どれと言われても」

 フルーもクロードを真似て布に手を触れてみるが、棚に並ぶ生地はどれも今まで触った事がないような上等の生地で指先がごわつく事がなく、滑らかに運ばれる。

「じゃあ、好きな色で選んだらいい」

 フルーは試しに棚から黒い生地を持ってみた。次に光沢のある黒、ストライプ、グレー、茶、紺、どれも素晴らしく美しい布地だ。しかしフルーはこれだという確信が得られないでいた。そんな感じで数分迷いあぐねていると、クロードがやって来て、フルーが手にしている布地とフルーを交互に見る。

「フルー、お前の場合は……あまり暗い色は似合わなそうだな」

「そうですね、お顔立ちが華やかですので……暗い色ですと浮いてしまいますね」

 クレマンもクロードと同じ事を言う。フルーには二人が持つ基準がサッパリ分からない。布地を前にフルーは唸り声をあげるばかりだ。もう降参だ。

「プロのご意見をお願いします」

 フルーはクレマンの方に体を向けると、ぺこりと頭を下げ助けを求めた。

「かしこまりました。……そうですね、このロイヤルブルーの生地などいかがでしょう」

 クレマンが棚から、青い布を取り出した。ロイヤルブルーと言ったその布地は、紺よりも少し青みが強い。例えると、アルデゥイナの沖合の海のような色をしている。クレマンは布地を芯から外し数メートル垂らすと、フルーの肩に布地を載せてくれた。

「フルール様の髪の色ですと、青の刺繍模様がある白磁のティーカップに金の縁取り入っているような豪華で落ち着いた装いになりそうですね」

 クロードは、フルーとクレマンの位置から一歩後方に下がると、目を細めフルーの姿を見た。

「なるほど、さすがクレマン。センスがいい」

「ありがとうございます」

「フルール様はいかがですか」

「いいと思います」

 右も左も分からないフルーは、そう答えるのが精一杯だった。だが、クレマンが薦めてくれた布地は、嫌いな色ではない。この青は澄んだ綺麗な色だと思う。きっと綺麗なスーツになると想像がついた。しかし、それが自分に似合うのかどうかは、さっぱり見当が付かない。

「では、次は採寸をいたしましょう。フルール様は細身ですから、規制のサイズより詰めないと」

 まだまだ、やることが沢山ありそうだ。

 全て工程が終わり、店を出る頃には、外は夕暮れに染まっていた。

 

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