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Double Life  作者: Toki.
51/60

番外編1〜部長編〜

自分のPC内を漁っていたら、面白いものを見つけてしまいました。

本日、読者様から感想を頂きましたし、公開してみようかなと思います。



本日公開した番外編は、二つとも部長視点となっております。

どうかお楽しみください。

色々と、ご迷惑、ご心配をおかけしました。また、何かありましたら、感想等気軽にください。お願いします。

コンコンコンコンコン。


廊下の歩く音が響く。


周りには、たくさんの人がワイワイ騒いだり、パクパク食事を食っている。


そう、今は文化祭。


私は明日香ちゃんと、幸助と、風紀野郎がいると思われる1年2組の実習場所へ向かう。


手ごろで、美味しいと評判のある店らしい。


特に、風紀野郎が作るものが上手いと聞いたが、それが何かは定かではない。


店まで、残り3ヤード。


もう目の前だ。


しかし、ここに来て入ろうか、入らないか迷う。


それは、この人数。


ぱっと見た感じでは、満員以上である。


店の前で躊躇。


残り3ヤード残して、私は一歩が踏み出せない。


すると、後ろの男の人から「早くしてくれませんか?」と声をかけられた。


後ろを振り向くと、そこはなんとも言えぬ行列。


私は焦りながらも、店の中へと入っていった。


「いらっしゃいませぇ〜」


予想通り、席待ち。


私は、席待ちという面倒な事が嫌いだ。


だから、入るのを躊躇した。


しかし、先ほどの「いらっしゃいませぇ〜」という声に聞き覚えのある声だ。


よく見渡すと、明日香ちゃんがいた。


「あら! 明日香ちゃんじゃない!! その服、似合ってるねぇ。そう言えば、風紀野郎と同じクラスじゃなかったっけ? あいつは?」


私は、明日香ちゃんに聞く。


その瞬間、風紀野郎のおびえる雰囲気が一瞬感じ取られた。


「え…あ、風紀は今、厨房で頑張って働いていますよ」


明日香ちゃんの、可愛らしい笑顔。


久しくこんな近くで見たね。


そのまま明日香ちゃんは、どこぞの誰かに呼ばれ、何処かに行ってしまった。


このままでは風紀野郎の作るものを食べられない可能性が出てきた。


そんなことを考えると近くのウエイトレスと目があった。


ちょいちょいと手でこちらに呼ぶ。


なんでしょう? みたいな目で私を見るウエイトレス。


「風紀野郎って何担当?」


直球で聞く私。


「ふ、風紀野郎ですか? あぁ、彼はクレープでしたっけ?」


「ふ〜ん」


クレープか。


よりにもよって、私の大好物を…。


こりゃ楽しみだ。


今すぐ食べたい。


やばい…(よだれ)が。


席待ち? そんなの関係ない。


いつのまにか、この言葉を発していた。


「ここの責任者って誰?」と。


数秒たった後、先ほどのウエイトレスはこういった。


「山田幸助ですけど」


幸助…か。


これは、戦略立てるまでも無い。


ありのままで行けば落とせるだろう。


そう考えると、笑みがこぼれた。


「呼んで」


と一言呟くと、ウエイトレスは厨房らしき方向へと歩いて行った。


数秒待つと、幸助が暗い顔をして現れた。


重い足取り。


幽霊でも見ているかのようなスピードの遅さ。


「な、何ですか部長?」


恐れるものを見たかのような目。


そんなに私が恐いかあんたは。


「クレープ一つ。まぁ風紀野郎のお任せで」


風紀が、クレープ作っていることは知っている。


風紀野郎のお任せというわけで、どんなのが出来るかが楽しみだ。


「けど、やっぱりここは待ってもらわないと…」


私の言葉に、反抗する幸助。


お前の命、なくなるぞ?


最後の忠告のような声で幸助に言った。


「私の言うことが聞けないんですか? 幸助君?」


すると、幸助の顔が見るも無残な顔に。


「ハイ〜〜〜!」といい、その場を立ち去った。


席待ちの場所で待つこと247秒。


明日香ちゃんにあと一歩の可愛さを持つ女の子がクレープを運んできた。


「おまたせしましたぁ!!」


なんと言う可愛らしさ。


「あなた、名前は?」


そう聞くとその子は不思議そうな顔をして、


「木村 凛です!」


木村 凛…覚えておこう。


今日は、収穫があった。


その気持ちでいっぱいになり、猫耳メイドカフェを出た。


風紀野郎が作ったクレープを片手に。


外にあるベンチに座り、クレープを一口かじる。


ここは、可愛らしく、小さめの大きさで。


パク。


……。


……。


う、うまい…よ。


中身は、よく分からない構成。


風紀野郎、特製クレープか。


その美味しさに、私は周りへと言いふらした。


「1年2組のクレープ、『風紀オリジナルクレープ』を頼め」と。


その日、風紀野郎のクレープが売れたかどうかは定かではない。
















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