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Double Life  作者: Toki.
23/60

5−3


「風紀〜〜! どうするの〜?」


「そんなもん知らねぇよ」


只今、迷子中。


俺たちは何の計画も立てずに旅館を出た。


何も計画していなかったのが駄目だったんだ。


こんな迷路のような田舎。


土地勘が無いやつが外に出たら迷うに決まっている。


しかも俺は、方向音痴。



明日香に任せても、明日香は変な場所に向かっていっているような気がするし。


どうすればいいんだ俺!!


「まぁ…このまま旅をする?」


明日香の無邪気な笑顔が目に入ってきた。


この顔をみてしまうと誰もが首を横に触れない。


てなわけで、俺は無意識に首を縦に振った。


「え〜! 冗談だったのに…」


その言葉で俺は意識が正常モードに。


「へ? まぁ、ついでにぶらぶらするか」


と言うか、今はそれしか出来ない。


道に迷っているのだから。


「ねぇねぇ、あそこ行ってみない?」


俺が「いいよ」という前に明日香は走ってしまった。


「お〜い、明日香!」


ビューーーン!


…早。


と言うか、あいつ体力ないんじゃなかったっけ?


あれから7秒後。


…バタ。


明日香失神。


「お…い、明日香…」


俺は何をすればいいんだ?


一応は近づいてみたものの、明日香が無防備な姿で倒れている。


ん〜。俺が普通の男なら、背負ったり、なんなりして、休ましてあげられるのだが、俺は女に

触れないしなぁ。


これはピンチ。


そのうち車が来るだろうし、あぁどうしよう。


何も出来ずに5分後。


「ん…」


明日香が目覚める。


「おぉ、明日か大丈夫か?」


「ふ…うき?」


「そうそう、風紀だよ」


「私…何しているの?」


「ん〜、あえて言うなら失神?」


「…あらそう」


明日香は「よいしょ」って年寄りのような声を出し、立ち上がる。


「お前はおじさんか」と俺が言うと明日香からの拳が飛んできた。


ピコピコピコピコ。


左頬ダメージ89。失神の確立76%


避けれる確立…82%


俺は頭を腹の辺りまでいっきに下げた。


明日香は拳を止めれるわけもなく、俺の頭の上を通り過ぎる。


俺はそのまま一歩、後ろに下がる。


「あ、危ないな明日香!」


「風紀がへんなこと言うから悪いの!」


「ご、ごめんって」


「分かればよろしい」


ふぅ…。


はっきり言って危なかったな。


気がつけば明日香が言っていた「あそこ」に着いた。


そして、あそこに着くと明日香が疲れたのか、地面に座る。


それに続いて俺も座った。


ん〜なんか雰囲気はいいんだが、見晴らしがいまひとつ。


もう少し違う所探すか。


「明日香! 次、行くぞ!」


「うん!」


俺達二人は立ち上がる。


そのとき明日香は「よっ」と言った。


多分「よいしょ」と言いそうだったんだろう。


それを途中で無理やり止めた。みたいな感じだろうか。


明日香らしくて面白い。


俺たちはまた、ぶらぶらと歩き出す。


明日香といろんな話をしながら歩いていると、あの旅館の203の部屋から見えた海が大分近

くに見えてきた。


「明日香! あれ見てみろよ。海だ!」


「海だねぇ〜!」


のほほーん。としながら明日香は言った。


もう少し、俺的には感動して欲しかったのだが。


何かいいところないかなぁ。


雰囲気がよくて、見晴らしのいい場所って…。


いろんな種類がありすぎて、よく分からん。


「ねぇねぇ、風紀。あそことかどう?」


明日香が指を指した。


その先を目で追う。


そこには雰囲気が良くて、見晴らしがいい場所。


まぁ少し違うような気もするが、俺的には好きな場所だ。


「いいんじゃね?」


俺がそう言って、隣に居る明日香の方を向く…はずだった。


…明日香がいない!


心の中で無意味なつっこみをいれてしまった…。


はむぅ。


なんか変だな俺。


と言うか、こんなこと考える前に明日香が何処行ったのか探さなければ。


俺は前を向き、走り出した。


だけど俺の足も50メートルぐらい先に進むと自然に止まった。


「またかよ」


はぁ〜と大きな溜息を着く俺。


明日香は何故か、先ほどのいきなりダッシュして、疲れて、倒れるということを学習していな

かったようだ。


「バフッッ!?」


明日香が前回と同様に仰向けで倒れている。


だけど今度の明日香の格好は見たいけど見れない。


と言うか、心の底から見たい!


だってあの学年一の明日香のスカートがめくれている。


だけど、相手は明日香だし…。


いや、明日香だから見たいというのもある。


俺はクマさんのパンツを3秒ほど凝視した後、俺は近くにおいてあった木の枝でそっと明日香

のスカートを直した。


これでこそ男。


男の中の男だ!


自分にそう言い聞かせ、明日香が起きるのを隣に座りそっと待った。


3分後。


「行かないで!!!」


…は?


因みにさっきの「行かないで!!!」は明日香がバッと起きた瞬間に発した言葉。


寝ている途中もボソボソ何か寝言は言ってはいたが、起きた瞬間にこのような言葉を発すると

は。


「どうした明日香?」


「ん…。嫌な夢を見たの」


明日香はエヘヘと笑いながら「よいしょ」と言って立った。


その瞬間明日香の顔は「あっ」とした感じで、俺は笑いを堪えるのに必死。


「さ、さぁ。あそこへ行こう!」


明日香は誤魔化すように歩き出した。


俺はその後ろについていく。


嫌な夢とはなんだったんだろう。


何故かは分からないが、俺の頭はそればっかりだった。



















更新時間が遅れてしまい、本当に申し訳ございません。

最近、プライベートの用事で無駄に忙しくなってきました。

出来るだけ毎日更新しますが、どうしても出来ないという状況が出てくるかもしれません。






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