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胡蝶と篝火
蛍と常夏から選んだ和歌はありません。両巻の和歌が好きな方は申し訳ありません。
紫のゆゑに心をしめたれば淵に身投げむ名やは惜しけき
ゆかりのある方に心を奪われておりますので、淵に身を投げても不名誉だとは思いません。
※蛍兵部卿宮の歌。玉鬘へ求婚する意思がある事を玉鬘の養父であり異母兄の光源氏に告げているもの。紫のゆゑは姪に当たる事から。
篝火にたちそふ恋の煙こそ世には絶えせぬ炎なりけれ
篝火の煙と共に立ち上る恋の煙こそ、いつまでも消える事のない私の想いなのです。
行方なき空に消ちてよ篝火のたよりにたぐふ煙とならば
煙のような想いなら行方も知らない空に消し去って下さい。
※光源氏から玉鬘への想いを伝える歌とそれへの玉鬘の返歌。




