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私選和歌集  作者: 如月瑠宮
源氏物語より
72/73

少女と初音

玉鬘から選んだ和歌はありません。玉鬘の和歌が好きな方は申し訳ありません。

鶯のさえづる声は昔にて睦れし花の蔭ぞ変はれる

 鶯の囀る声は昔のままですが、慣れ親しんだ花の蔭は変わってしまいました。


※光源氏の歌。桐壺帝、朱雀帝、冷泉帝と移りゆく御代を詠んでます。




鶯の昔を恋ひてさえづるは木伝ふ花の色やあせたる

 鶯が昔を慕って囀っているのは今の木の花の色が褪せたからでしょうか。


※冷泉帝の歌。上記の歌と同じ内輪の遣り取りで朱雀帝を慰める為に詠んだ物。




年月を松にひかれて経る人に今日鶯の初音聞かせよ

 長い年月を松の成長を待ちわびて過ごしている私に、今日は鶯の初音を聞かせて下さい。


ひき別れ年は経れども鶯の巣立ちし松の根を忘れめや

 別れてから年は経ちましたが、鶯は巣立ちした松の根を忘れたりするでしょうか。


※同じ屋敷に暮らしていながら娘と気軽に会う事が叶わない明石の上からの切実な願いの歌と、そんな明石の上を思いやり光源氏から返事を書くように言われた明石の姫君の歌。

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