末摘花と紅葉賀と花宴
もろともに大内山は出でつれど入るかた見せぬいさよひの月
一緒に内裏を出ましたのに行き先を見せようとしない十六夜の月ですね。
※末摘花の家から出てきた光源氏に頭の中将が詠んだ歌。
なつかしき色ともなしになににこのすゑつむ花を袖にふれけむ
心惹かれる色でもないのに、どうしてこの末摘花に袖を触れてしまったのだろうか。
※正月用に真っ赤な衣装を贈って来た末摘花に対してからかい半分に詠んだ一首。
君にかくひきとられぬる帯なればかくて絶えぬる中とかこたむ
貴方にこうして取られてしまった帯ですから、このまま絶えてしまう仲なのでしょう。
※光源氏の「中絶えばかごとや負ふと危ふさに縹の帯はとりてだに見ず」に対しての返歌。
梓弓いるさの山にまどふ哉ほのみし月のかげや見ゆると
いるさの山にふらふら迷い込んでしまいました。仄かに見た月をまた見れるのではないかと思って。
※朧月夜と扇を交換した光源氏が「石川」という催馬楽の「高麗人に帯をとられてからき悔いする」を引用して「扇を取られてからき目を見る」と言って朧月夜をつきとめる際に詠んだ歌。事情を知らなければ、何ですかその替え歌状態ですので。
心いる方ならませば弓張りの月なき空にまよはましやは
心惹かれる方ならば弓張月の無い夜空でも迷うような事はありません。
※上記の光源氏の歌に対しての朧月夜の返歌。




