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源公忠と壬生忠岑と斎宮女御
源公忠
玉櫛笥ふたとせあはぬ君が身をあけながらやはあらむと思ひし
二年間会わなかった貴方に年も明けながら五位の赤い衣のままで会うとは思っていませんでした。
※鷹狩の名人で「大和物語」などに逸話が残されている方です。この歌も大和物語に載っています。
壬生忠岑
時しもあれ秋やは人の別るべきあるを見るだに恋しきものを
よりによって秋にあの人と死に別れるなど、ただ会うだけでも恋しいというのに。
※紀友則が亡くなった時の歌です。秋に誰かが亡くなると物悲しさが増すような感じがしますよね。
斎宮女御
琴の音に峰の松風かよふらしいづれのをよりしらべそめけむ
琴の音に峰の松風の音が通い合っているらしい。いづれの弦より弾き始めたのでしょう。
※斎宮女御は通称で斎宮を務めた徽子女王が村上天皇に入内した為の物です。奇しくも娘が斎宮に卜定されて野宮に入った際、徹夜して神仏を祭る庚申に当たり、催された歌会で「松風入夜琴」を題に詠んだ歌。




