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藤原朝忠と藤原敦忠と藤原高光
藤原朝忠
逢ふことの絶えてしなくは中中に人をも身をも恨みざらまし
もし逢う事が全く無かったのならば、かえってあの人のつれなさも我が身の不幸も恨んだりはしないのに。
※座るのも苦しい程の肥満だったという話もありますが、人違いだとか・・・哀れな感じではありますが、歌は見事であると思います。
藤原敦忠
今日そへに暮れざらめやはとおもへども堪えぬは人の心なりけり
今日だからといって暮れない事があるだろうかと思うけれども、堪えられないのは人の心なのだな。
※平安時代は通い婚でしたので日が暮れれば相手に会えるけれども、それまで待てない自身の心を詠っていると思われます。御匣殿に初めてつかはしけるとあるので、後朝の文でしょうか。
藤原高光
かくばかりへがたく見ゆる世の中にうらやましくもすめる月かな
こんなにも住みにくく思える世の中に、羨ましくも澄み輝きながら住んでいる月なのだな。
※藤原氏の中心的人物であった師輔の子息でありますが、突然に出家し世間に衝撃を与えたらしいお方です。そのような経緯を感じ取れるこの歌を選んでみました。




