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僧正遍昭と素性法師と紀友則
僧正遍昭
たらちめはかかれとしてもうばたまのわが黒髪を撫でずやありけむ
母はこうなると思って、私の黒髪を撫でたのでは無かったでしょう。
※剃髪した時に詠んだ歌になります。幼い頃に母親に髪を撫でて貰った事を思い出したのでしょう。
素性法師
今来むと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな
今すぐ行くと言うので、秋の夜長を待つ内に九月の明け方の月が出てしまいました。
※百人一首にも選ばれた歌です。この時代、待つのは女性なので、女性の立場で詠まれています。待っている内に明け方になってしまったという物。
紀友則
秋風に初雁が音ぞ聞こゆなる誰がたまづさをかけて来つらむ
秋風が吹き、初雁の鳴き声が聞こえてくる。誰の手紙を携えてやって来たのだろう。
※中国に「胡国に捕らわれた漢の蘇武が雁に託して漢王に文を届けた」という故事があります。中国の故事を基にした歌の一つだと思います。




