1番と2番
妹があたり継ぎても見むに大和なる大島の嶺に家居らましを 天智天皇
貴女の家の辺りをいつも見る為に大和の国の大島の嶺に私の家があったらいいのに。
※万葉集の「妹が家も継ぎて見ましを大和なる大島の嶺に家もあらましを」の異文。本文の意は「貴女の家をいつも見ていたい・・・大和の国の大島の嶺に貴女の家があったらいいのに。」といった所でしょうか。
天智天皇が鏡女王に贈った歌です。大島の嶺がどこを指すのかは不詳。
異文を選んだのはこちらの方がより好きだったからです。
燃ゆる火も取りて包みて袋には入ると言はずや面智男雲 持統天皇
燃える火も取って袋に包んで入れる事ができると言うではないか。
※万葉集より。
持統天皇は天智天皇(1番作者)の娘。この歌は夫(天武天皇)が亡くなった時に作ったとされています。
「面智男雲」は不詳。読み方も複数の解釈がある為、ここでは省きました。何はともあれ、「夫が死んでしまって悲しい、もう会う事が出来ない」想いが伝わります。
百人一首の「春すぎて夏きにけらし白たへの衣ほすてふあまのかぐ山」も美しい歌だと思いますが、心揺さぶられる方を選びました。