鬼ごっこ
僕は今、鬼ごっこをしている。
誰もが幼少の頃にしたことがあるであろう。
友達数人と集まり、じゃんけんで負けた人が鬼となり、他の負けなかった人を追い掛ける。
これがいたって普通の鬼ごっこだ。
僕は今、逃げている。つまり僕は鬼ではない。
それは、僕を追い掛ける鬼がいるということも意味している。
その鬼は必死に追い掛けてくる。その形相は、まさに鬼如く。
かくいう僕も必死に、かなり必死に逃げている。
僕にとっても鬼にとっても、この鬼ごっこはそれほど重要だと言うことだ。
因みに、その鬼の容姿だが、腰に至る程の長い髪・その腰回りにある布切れ・4mは超えるだろう背丈・手に持つ金棒・額に生える一本の角―、つまり鬼だ。
まさしく鬼なのだ。




