第三話Х白と黒
「ブーブーブー…‥」
携帯の音で目が覚めた。
睡眠を妨害されたあたしは止めると壁に投げ付けた。
寝てるのに無理矢理起こされるのは、あたしが嫌いなことの一つだ。
そのまま数分うだうだして、自分で投げたのにわざわざ携帯を拾いにいく。なんて間抜けな行動だろう。
新着メール一件:愛
おはよー!明日は卒アルの写真撮影だから、担任が制服来てこいだって!
―END―
まじ担任うっせえなー!!…‥っておい!それだけかよ!
「明日は来てね」
とかないのー!?
はいよー!さんきゅ!
―END―
⇒⇒⇒送信完了
愛には言わなかった。
言葉では表してないけど、いつも心配してくれてるのは十分わかってたから。
だけどたまには言ってほしいよなー。
ちょっと欲張りなあたし
愛とは高一の時に出会った
背が低くて手足も小さい彼女。ぱっちり二重の大きな目に長い黒髪。黒い肌。
それに比べて
あたしは━━━━
背は普通なのに足がでかくて、奧二重。ミディアムの赤茶の髪。白い肌。
手は赤ん坊のように小さかった。
愛とあたしが並ぶと、まるでモノクロの世界に住んでるみたいで。。
肌が黒い愛と白いあたし。
反対に白が好きな愛と黒が好きなあたし。
だから着る服はお互い自分の肌とは対照的なものばかりだ。
白と黒…‥真逆の色・真逆の意味をもつ色
お互いに自分の持っていないものにひかれあったのか、色とは裏腹にあたし達の仲はどんどん深くなった。