ペアの相手
何番だろう?
みんなと離れなければいいんだけど。
私はそんな気持ちを抱きながらくじをひらいた。
“50”
「里香、何番だった?」
「私はコレ」
里香が見せてくれたくじには“1”の文字が。
「離れちゃったね。ほら」
そう言って里香に私の番号を見せた。
「あぁ、本当だ。残念だね。私たちのクラスは今日から101人だから、仔己芦は最後だね」
「本当だぁ…」
それにしても、1番最初と最後って…。
私が落ち込んでいると、後ろから声がした。
「お前ら、何番だったんだ?」
あ、覇井咲くん。
「じゃぁ、僕と同じだね」
「あ、私いーくんと一緒なんだぁ」
あの二人がペアなんだぁ。
「お?俺もだ」
え?
1番の男子が二人?
「ほら…な?」
「あ。それじゃぁ、もしかして私たちが三人のところなんだ…宜しくね」
里香がそう言うと、小宮くんと新条くんが笑顔でうなずいた。
「西条はどうなんだ?」
私?
「私の番号はコレ」
そう言って自分のくじの番号を見せた。
そう言えば、覇井咲くんは何番だろう?
私がそう思っていると、覇井咲くんが少し笑った。
「なら、おれと一緒だな」
そう言って、くじの番号を見せてくれた。
あっ。
本当だ。
「宜しくね」
「あぁ」
でも、すごい偶然だね。
五人ともピッタリなんて。
「ねぇ。いーくん、ゆーくん」
『ん?』
「珍しいよね。美琴」
「あぁ…そうだね。そう言われてみれば」
「そうだな…」
三人で何を話しているんだろ。
そして、私は三人が何を話しているのか分からないままその日を終えた。