再開(1)
「仔ぉ~己ぉ~」
ん?
今何か聞こえたような…。
「芦っ」
――――ガバッ
「わぁっ…って里香!?」
「おはよっ」
「おはよう。里香」
今、私たちは自分たちの高校の月夜学院に登校している。
私たちの高校は、全生徒が寮生。
ちなみに、男子寮女子寮とわかれていて、一室に二人で生活すると決まっている。
「…?どうしたの?仔己芦」
「え?何でもないよ」
「そう?ならいいんだけど…。あっそーだ!今日は転校生が来るんだよね?確か…男子が三人?」
え!?
すっかり忘れてた…。
「どんな人たちだろうね?楽しくなるといいなー」
「そうだね」
――――ガラッ
「おはよー」
「ごきげんよう」
「おはようございます」
教室に入るとみんなが口々にそうあいさつをしてくれる。
――――キーンコンカンコーン
わっギリギリだっ。
私たちは急いで席に着いた。
――――ガラッ
「おはよーみんなー」
担任の斉藤先生が教室に入ってきた。
『おはようございます』
「それではHRを始めます。始めて早々なんだけれど転校生を紹介したいと思います。みんなにはあらかじめ言ってあるから大丈夫だよねー?では、入ってきてください。」
――――ガラッ
うわー…び、美形。
私は里香に話しかけようとして後ろを振り向いた。
そして、私は里香を見て驚いた。
里香は、口をポカンと開けて前を見つめてる。
私は誰にも聞こえないように、そっと尋ねた。
「どうしたの?里香」
「…」
返事がない。
「里香?里香!」
「え?何?ごめん」
「どうしたの?」
「あっうん。気のせいだと思うんだけど、あの三人私の幼馴染にそっくりなの…」
え…里香の幼馴染?
「まぁ…名前を聞けばわかるんじゃない?」
「うん…そうだよね」
私は里香に向ってうなずいた後、また前を向いた。
「それじゃあ三人とも自己紹介をお願いします。あっ名前だけで結構よ?」
そう言われた三人は頷いて左から順に、自己紹介を始めた。
「俺は覇井咲美琴」
「僕は小宮琉尉」
「俺は新条夕夜」
『これから宜しく』
お金持ちの息子だから、もっとすごい名前かと思ってたけど結構普通なんだ…あっ!
「里香。どうだった?」
「全く…同じ…」
じゃあ、あの人たちが里香の幼馴染…何か、納得がいくような…。
あれ?…でも、それにしては…。
「里香、何で元気がないの?…せっかく幼馴染に会えたのに…」
「だって、何年も会ってないんだよ?私のことなんか…覚えてるわけ…ないよ…」
そう言ってる里香は、今にも泣きそう。
「覚えてるよ!」
え…?