彼女と彼氏とついでに男のその後
「彼女と彼氏とついでに男」のその後。高校時代3。
「遺産もらっちゃった~。」
今日も今日とて気軽に唐突に手に入れたものを伝えてきた男。
受験も真っ只中。
人がいない教室で勉強を男に教えてもらっていた。
隣の席だった男子は彼氏になり、一緒に勉強する予定だったが先生に呼び出され職員室に向かった。
彼氏は自分より頭がよく、進学に問題ないと太鼓判を押されているため、おそらく所要で呼ばれたのだろう。
彼氏よりは頭がよくない自分も同じ大学に進学する予定で、試験で判定には問題はなかったが油断はできないため、彼氏に勉強を教えてもらうことになったのだ。
が、いないので代わりに男に教えてもらうことになったのだ。
男は彼氏よりも頭がいい。
2年の時も男に教えてもらったときがあり、成績が上がったため頭が上がらない。
「この前さ。反社の一員になったって言ったじゃん。君が辞めたほうがいいのではと言ってきたので、幹部の人に辞めますと伝えにいったら遺産もらうことになったんだよね。」
「待って。辞めてから遺産もらう展開がつながらない。意味わからん。」
話が急展開すぎる。
遺産をもらう過程が省かれすぎて本当に意味がわからない。
「辞めると伝えたら引き止められて、辞めるための金を納めろと、いちゃもんつけられたんだよね。ちゃんと稼いで金を納めたんだけど、稼ぎ方が悪かったのか、ほかの反社のところと抗争になったみたいで。そこから色々あって、稼いだ金プラス仲良くしていた幹部の人の遺産ももらえることになって、反社も辞めれたんだよね。」
やっぱり、何もわからない。
抗争から遺産をもらえる意味がわからない。
「そういえば、ニュースになっていたような・・・。」
どっかの反社の幹部が亡くなっていたような・・・。
これ以上考えるのをやめた。
話を変える。
「そういえば、高校卒業後どこに進学するの?それとも進学しないで就職するの?」
今更なことを質問する。
この2年間の付き合いで、この男の進学先ややりたいことを聞いたことがない。
よく意味のわからない立場に高校生ながらになっていたりするが、この男がそれに対して喜んだり嫌がったりしたことを見たことがない。
能力が高いゆえに何も感じないのだろうか。
やりたいこともないのだろうか。
「ん~。どうだろうね。どうしようか。」
「もしかして、何も決まってないの?」
困ったような笑顔を見せた男。
「それなら、海外に行こうかな。お金もはいったし。」
この男ならそれもありかもしれない。
家族仲も悪いこの男は、高校を卒業したら出ていくように考えているらしい。
両親は追い出す気はあるようだが、親の義務と考え大学にも行きたいなら行かせるつもりはあるようだ。
「どこの国に行くの?」
「さあ、とりあえずその辺の国ぶらぶらしようかな。」
「寂しくなるね・・・。」
毎年クラス替えがある学校とはいえ、2年間の友達が国内にないのはすぐに会えないため寂しい気持ちが沸いた。
ガラッ。
ちょうどその時、教室のドアが開いた。
「すまない、待たせた。」
「お帰り~。」
彼氏が帰ってきた。
「ちょうどお前の進学先を先生に聞かれていたんだ。今の話を先生に言ってこい。心配してたぞ。」
「あ~。高橋先生いい人だからね。確かにすごく心配されて聞かれたなぁ。」
じゃあ、先生に伝えてくるよ。
そう言って男は去っていった。
「反社から遺産もらった話は絶対にするな!」
ただでさえ成人したての子どもが海外に一人で行ったら心配するのに、遺産の話をきいたら先生ぶっ倒れる。
「ん~。大丈夫じゃないかな。教祖の話したときに笑われたから。」
それは多分冗談だと思ったんじゃ。
「じゃあね~。先に帰っててもいいよ。」
と言って男は去って行った。
「ここで勉強して帰るか?」
「ファミレスでやろうよ。おなか減ったし。」
そうして数か月後二人とも志望大学にうかり、男は海外に旅立っていた。
男が数か月後に日本に帰ってきたときは、指名手配犯となっていた。
そこから、「男と彼女の関係は」に続く。




